ネームを描く用紙を用意する
ネームを作成するためには、見開きで描き、切り貼りや差し替え作業が簡単にできる用紙を用意します。
ネームづくりの基礎知識
ネームは見開きでつくる
ここまではストーリーやキャラクターなど、マンガを描き進めるうえで必要なことを学んできましたが、ここから先は実際にマンガのネームを描くうえで必要なことを学んでいきましょう。
デジタル機器を使わず、アナログ環境でネームを作成する場合に専用の用紙は必要ありませんが、見開きの状態で絵を描ける紙を用意するのがベストです。
見開きで使えるノートでもいいのですが、ネームを作りこむときには、コマの切り貼りや差し替えの作業が当たり前になってくるので、半分に折ったコピー用紙などの白紙が、使い勝手がいいかもしれません。
ネームを見開きで描くのは、実際の掲載に近い形で左右のページのバランスや読むテンポなどを検証しながら進められる点にあります。
片方のページずつだと、開いたときのイメージがしにくく、全体のバランスが崩れやすくなる。
見開きページだと、ほぼ掲載に近い形のため修正箇所が直感的に判別しやすい。
ネームづくりの進めかた
マンガは見開きで読むメディアなので、左右のコマ割りが似たものになっていないか、コマの中身が同じような絵になっていないかを確認しましょう。製本するときに閉じる真ん中部分を「ノド」といいますが、この部分に絵やセリフが入っていないかなどをチェックしてください。
また、左ページからはじまり右ページで終わるのがマンガの基本ですが、公募や賞の規定が、出版社によって違う場合もあります。イメージの確認のためにも、見開きの用紙でネームをつくりましょう。
【以下に注意してネーム作成を進める】
- 同じような構成が続きすぎていないか?
- 読み易いコマ割りになっているか?(ネームは切り貼りしやすいようにする)
- ノドの部分に情報(絵やセリフ)がかかっていないか?
紙の質ですが、ここにはこだわる必要はありません。多くの場合一度でネームは完成せず、何度も描き直したり、推敲したりする作業が入ってきます。そのため、あまり高価な紙は使わず、使いやすさと手軽さで選びましょう。ネームづくりはマンガ制作のなかでも特に長く関わる作業になります。描き心地や経済面で、ずっと使っていても、ストレスにならない紙がベストの選択です。
- 見開きがつくりやすい大きめのコピー用紙がオススメ
- 見開き単位でバランスを見ながら描くことが大切
- 自分が描きたいジャンルのマンガを参考に!
- ネームは勢いが大切。一気に描こう!
【出典】『テクニックでセンスを超える! プロが教えるマンガネーム』著:佐藤ヒロシ
【書籍情報】
『テクニックでセンスを超える!プロが教えるマンガネーム』
著:佐藤ヒロシ
マンガを描く上で、アイデアやイメージを形にするのは難しく、面白さを伝えるためにはネームが必要です。ネームは、コマ割りや構図、キャラクターの配置などを具体的に示す設計図であり、作品の完成度を高めるために何度も修正を繰り返します。本書では、ネームの作り方と素晴らしい作品になるためのポイントを解説し、実際のネーム添削も紹介。ネームを描くことが、面白いマンガを作成する第一歩です。マンガネームの書き方に悩んでいる方にぜひ読んでいただきたいおすすめの一冊です。
公開日:2024.07.02