パニック発作への対処法
パニック発作が起こった場合、自分でコントロールするのは困難です。普段から周囲の人に自分の症状を話しておくと、協力を得やすいでしょう。
周囲の人の協力で呼吸数を調整
前の記事でご紹介した「戦うか、逃げるか反応」がとても強くなってあらわれるのが「パニック発作」だといえるでしょう。この発作は心身の危機に対する「自律神経の反応」なので、自分でコントロールするのは極めて困難です。
発作のとき、多くの場合は過呼吸になります。呼吸は自律神経の働きですが、なるべく心を落ち着けることで、意識的な調整が可能になります。また、呼吸の際はおなかに手を当てるなどして、腹式呼吸を意識しましょう。発作を起こしそうな人は、普段からゆっくりした鼻呼吸を心がけておくとよいでしょう。
パニック発作が起きたときの対処法
周囲の人は、慌てたり騒いだりせず、楽な姿勢をとらせたり、深い呼吸をうながすなどして安心させてあげましょう
①楽な姿勢をとる
いすに座る、何かにもたれかかる、横になるなど、楽な姿勢をとる。
②腹式呼吸を行う
胸で呼吸をすると過呼吸が激しくなる場合もあるので、腹式呼吸を意識する。
③ゆっくり呼吸する
3秒ほどゆっくり息を吸ったあと、いったん息を止めて、ゆっくりと息を吐ききる。
④ ①〜③を繰り返す
発作が落ち着くまで、①~③を繰り返す。
周りの人に「私、パニック発作を起こすことがあって…」などとカミングアウトしておくと、本人の心理的負担も軽減されます
【出典】『心の不調がみるみるよくなる本』ゆうきゆう:監修
【書誌情報】
『心の不調がみるみるよくなる本』
ゆうきゆう:監修
現代増加の一途をたどる「不安障害」。
不安障害とは払拭できないほどの不安や恐怖の感情が過剰に付きまとい、日常生活に支障をきたすような状態になることです。
一概に不安障害といってもさまざまな症状があり、突然理由もなく激しい不安に襲われて発作などを引き起こす「パニック障害」や、謎の強迫観念にとらわれて意味のない行為を繰り返す「強迫性障害」、若者に多く人前にでると異常に緊張して体調を崩す「社交不安障害」などタイプは異なります。
本書ではそのような不安から引き起こされる心の不調について、症状例をそえて専門医がわかりやすく解説。自分の「不安障害度」を簡単にチェックできる診断テストも掲載。病気を自覚し、その症状にあわせた治療を受けられるようサポートする一冊です。
公開日:2024.12.12