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自律神経失調症の予防・改善ができるストレッチ体操『指組み肩まわし』&『胸椎上部はめ』【背骨コンディショニング】

Text:日野秀彦

背骨コンディショニングで自律神経失調症の予防・改善

自立神経の不調も背骨のゆがみが原因

自律神経とは、自分でコントロールできない神経のことで、すべての内臓と血管、ホルモンの分泌などを支配して、私たちの生命活動を維持しています。交感神経と副交感神経に分かれ、交感神経は、脊髄の外側から出て脊髄の両わきにある交感神経幹に入ることでたくさんの臓器を一度にコントロールし、副交感神経は、中脳、延髄(えんずい)、仙髄(せんずい)から出て、それぞれの臓器と個別につながりながら影響を与えています。

自律神経失調症は文字どおり、こうした自律神経の働きがバランスを失った状態で、検査では異常がないものの、さまざまな症状が繰り返し現れます。しかも、交感神経と副交感神経は互いに絡み合いながら全身に分布しているため、原因を特定するのは困難です。いわば「コレ」という症状が確定できないのが特徴です。

交感神経と副交感神経の比較【背骨コンディショニング】

背骨コンディショニングでは、自律神経失調症は内臓の不調と同様、背骨のゆがみによって神経が引っ張られ、神経の先にある臓器がさまざまな異常を起こすと考えます。自律神経が集中する背骨のまわりをていねいにゆるめ、筋肉をつけていけば、症状は改善します。

胸椎からは、肺や心臓、胃、肝臓、腎臓などすべての臓器をコントロールする自律神経が出ています。たとえば、腰椎の4、5番の前枝は大腸、後枝は坐骨神経、胸椎6〜8番の右側は肝臓や胆のう、左側なら胃やすい臓といった具合です。

そのため、背骨のゆがみによって自律神経が過緊張を起こすと、伝導異常のためにその先にある内臓の組織全体がまず固くなります。いまの医学に臓器の固い柔(やわ)いという概念はありませんが。治癒力(ちゆりょく)は低下するようです。たとえば、消化管が固くなれば、食道なら誤嚥(ごえん/食べ物が誤って気道に入ること)、そして、胃なら胃もたれやむかつき、小腸や大腸なら消化不良や下痢・便秘などを起こしますし、肺なら息切れを感じたりします。

自律神経の働き【背骨コンディショニング】

【ゆるめる体操】指組み肩まわし ストレッチ

自律神経失調症の予防・改善に背骨コンディショニングでストレッチ体操①

ゆるめる部位:肩・胸鎖関節

肩甲上腕関節と胸鎖関節に働きかけ、背骨のゆがみを正して緊張した自律神経の伝導をスムーズにします。

指組み肩まわし ストレッチ体操のやり方

【1】胸を張って立ち、両肩を開き、身体の後ろで肘を伸ばし、手のひらを合わせるようにして両手を組みます。

指組み肩まわし ストレッチ体操のやり方 手順1【背骨コンディショニング】

【2】肘は伸ばしたまま、できるだけ身体から離した位置で、大きな円を描くように両手を回します。

⚫︎30回回したら、反対の方向にも回します。

指組み肩まわし ストレッチ体操のやり方 手順2【背骨コンディショニング】

指組み肩まわし ストレッチ体操のポイント

両手を回すときは、腕は伸ばしたまま肩と腕だけで回すようにし、できるだけ上体は動かさないようにします。

はじめはきれいな円を描けなくても、少しずつ可動域を広げていきます。

【矯正体操】胸椎上部はめ ストレッチ

自律神経失調症の予防・改善に背骨コンディショニングでストレッチ体操②

矯正部位:胸椎上部

胸椎上部をゆるめて胸椎のゆがみを矯正します。こぶしを2点にすることで頭を安定させ、より効果的に胸椎上部に働きかけます。

胸椎上部はめ ストレッチ体操のやり方

【1】四つ這いになってつま先を立て、額とあごの下にこぶしを入れ、できるだけ両肘を張って肩甲骨を寄せます。

胸椎上部はめ ストレッチ体操のやり方 手順1【背骨コンディショニング】

【2】額とあごはこぶしにつけたまま、肩を丸めて肩甲骨を開きます。

胸椎上部はめ ストレッチ体操のやり方 手順2【背骨コンディショニング】

【3】額とあごでこぶしを押し、肩甲骨を寄せて、つぶすように顔をこぶしに押しつけます。

⚫︎【2】と【3】を10往復行ってから両手の位置を入れ替えて同じように行う。

胸椎上部はめ ストレッチ体操のやり方 手順3【背骨コンディショニング】

胸椎上部はめ ストレッチ体操のポイント

肩甲骨を意識しながら行います。

肩甲骨を開くときも、できるだけこぶしから顔を離さないようにします。

胸椎のゆがみは内臓機能低下の原因となる

胸椎の6〜8番の右側は肝臓と胆のう、左側は胃やすい臓とつながっているほか、胸椎10〜12番は小腸や腎臓に、腰椎4、5番の前枝は大腸につながります。胸椎がゆがむと、これらの臓器につながる神経に伝導異常が起こり、筋肉だけでなく、臓器を構成する組織全体が固くなり、内臓機能が低下してしまいます。

内臓壁が固くなっている場合、脇腹をたたくと痛みを感じます。ずれている胸椎を矯正するだけで固さがほぐれ、血液検査の結果も改善します。

胸椎のゆがみ【背骨コンディショニング】

胸椎のゆがみからくる主な症状

胸椎3〜5

主に関係する神経

肋間神経

関連する器官・部位

胴体、内臓

考えられる主な症状

肋間神経痛、アトピー、乳がん、肺気腫、肺がん、弁膜症、狭心症、不整脈、ぜん息

胸椎1〜4

主に関係する神経

胸心臓神経

関連する器官・部位

胴体、内臓

考えられる主な症状

肋間神経痛、アトピー、乳がん、肺気腫、肺がん、弁膜症、狭心症、不整脈、ぜん息

胸椎6〜8

主に関係する神経

肋間神経

関連する器官・部位

胴体、内臓

考えられる主な症状

肝機能障害、胆のう障害、胃、十二指腸、すい臓の障害、糖尿病

胸椎5〜9

主に関係する神経

大内臓神経

関連する器官・部位

胴体、内臓

考えられる主な症状

肝機能障害、胆のう障害、胃、十二指腸、すい臓の障害、糖尿病

胸椎9〜12

主に関係する神経

肋間神経

関連する器官・部位

胴体、内臓

考えられる主な症状

腎臓・副腎・ひ臓障害、血小板・白血球造血不良、小腸障害、輸尿管障害

胸椎10〜12

主に関係する神経

小内臓神経

関連する器官・部位

胴体、内臓

考えられる主な症状

腎臓・副腎・ひ臓障害、血小板・白血球造血不良、小腸障害、輸尿管障害

出典:『一生痛みのないカラダをつくる 背骨コンディショニング 仙骨のゆがみを整え、全身の不調を根本から改善する症状別プログラム』著/日野秀彦

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「背骨コンディションニング」とは「仙腸関節可動理論」、「神経牽引理論」による、上半身と下半身をつなぐ唯一の骨である仙骨の歪みを整え、全身の不調を改善する画期的といえる運動プログラムです。本書では、改善率が実に96%以上、全国で30万人を様々なカラダの不調、症状から救ったこの実践的なプログラムをビジュアルに紹介します。痛みや不調は、医者や薬に頼らず、自分で自宅で治せます!

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足のしびれ・足裏痛の予防と改善法

気になる中身を少しだけご紹介!週に2回の筋トレで筋力アップ!

正しい筋トレ方法でないと効果は得られない

ゆがんだ骨を矯正しても、その状態を維持するだけの筋力がなければ、すぐにゆがんで症状が再発してしまいます。症状の解消には筋力をつけることが不可欠ですが、筋トレは、正しいやり方をしなければ効果がありません。「頻度」「強度」を正しく行うことが大切です。とくに、「強度」は重要で、少なくとも最大拳上重量(自分がギリギリ1回上げることのできる重さ)の50%以上の負荷(強度)が必要となります。大まかな目安として、最大拳上重量を100%MAXとすると、50%MAXなら15回、75%MAXなら10回くらいあげられる重さです。はじめて基礎トレーニングのバックキックやハイエルボーローイング(P74~77)の筋トレを行うときは、「ギリギリ10回はできるけれど11回目は無理」というくらいの負荷で行いましょう。

筋トレは、たくさん行えば効果があるというものではなく、強い負荷をかけて筋繊維を破壊しては、筋組織が再合成されることを繰り返して、筋肉を増やしていくものです。筋肉を使いきった状態(オールアウト)から疲労回復までの時間は24時間から100時間ほどで、筋肉の部位によっても異なります。バックキックで鍛える大殿筋のように大きな筋肉の場合は回復までの時間を考えて、週2回程度の頻度で行います。

トレーニングするときの注意事項

・正しいトレーニングフォームや目的部位を意識し、反動を使わないようにします。
・トレーニングを行っている間は、呼吸を止めないでください。
・トレーニング後はかならずストレッチを行います(トレーニング+ストレッチ=1セット)。

筋肉向上トレーニングの中・長期プログラム

筋力アップには、自分の筋力に合わせた負荷をかけて行うことが大切です。週2、3回のペースで、以下のプログラムに従って負荷を段階的に上げていき、効率的に筋力をつけましょう。同じやり方を続けると効果が出づらくなりますので2ヵ月ごとに刺激を変えて、効果を出し続けるようにします。

筋力向上プログラム

6か月で1サイクルとして、このサイクルを繰り返し行います。
・ポジティブ:筋肉が縮みながら力を発揮する動作。
・キープ:筋肉が縮んだ状態で、動作を起こさず力を発揮する。
・ネガティブ:筋肉が伸ばされながら力を発揮する動作。

肩首の激痛・めまいの予防・改善「チンイン」

枕やクッションに頭を押しつけ、反発力を使って首まわりの筋肉を鍛えます。

首まわりの筋肉を鍛える

柔らかい枕かクッションに頭を乗せて仰向けになり、あごを引きます。

首まわりの筋肉を鍛える

あごを引いたまま、頭を枕に押しつけます。そのまま力を抜いて元に戻します。これを10回繰り返す。頭を枕に押しつけるときやストレッチを行うときは、肩を動かさないようにするのがポイントです。

ストレッチのやり方

①後頭部を覆うようにして、頭の後ろで両手を組みます。
②背すじを伸ばしたままあごを引き、30秒ほどキープし戻します。

トレーニング10回とストレッチ1回を1セットとして3セット続けて行う。

肩首の激痛、めまいの予防と改善のストレッチ

★ゆがみやすい頚椎の変形は多くの症状の原因に
★首肩痛・めまい・耳鳴り・顎関節症の予防と改善
★足のしびれ・足裏痛の予防と改善
★頭痛・肩こりの予防と改善

などなど気になるタイトルが目白押し!

著者の日野さんは、フィットネス、アスリート、不定愁訴改善などさまざまな運動プログラムを開発・プロデュースし、全く新しい「背骨コンディショニング」理論を開発して、現在では全国で展開しています。これまで全国で30万人以上が、なかなか治らない病気や、原因不明の症状から救われ、「奇跡のプログラム」といわれるようになりました。今でも予約が取れず、プロアスリートや芸能人、女優やモデルさんも通うというプログラムを本書ではたくさん公開しています。ぜひ皆さまの健康に役立ててください!

【書誌情報】
『一生痛みのないカラダをつくる 背骨コンディショニング』
日野秀彦

「背骨コンディションニング」とは「仙腸関節可動理論」、「神経牽引理論」による、上半身と下半身をつなぐ唯一の骨である仙骨の歪みを整え、全身の不調を改善する画期的といえる運動プログラムです。本書では、改善率が実に96%以上、全国で30万人を様々なカラダの不調、症状から救ったこの実践的なプログラムをビジュアルに紹介します。 本書は背骨コンディショニングの最新&完全版!痛みや不調は、医者や薬に頼らず、自分で自宅で治せます!

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