あそび06:全身はたあげ
こんな子におすすめ!
- ボディイメージが弱い
あそびかた
手袋や靴下をはいて立ち、大人が指示を出す「赤あげて、青あげて」
子どもは指示に応じて、手や足をあげたり下げたりする
右手に赤い手袋、左手に青い手袋、右足に黄色の靴下、左足に緑の靴下をはきます。大人が、「赤あげて」「青あげて」「黄色下げて」などと指示します。子どもは指示を聞いて、手や足をあげたり下げたりします。手はしっかり上まであげ、足は膝を90 度あげるように伝えましょう。
効果とねらい
- 筋肉や関節を適切に動かす
- 足をあげるためバランスをとる経験ができる
- 指示を理解して適切に動作を行なう
注意点
- 無理のないポーズになるように指示を考える
- 片足立ちがむずかしい場合は軽く足をあげるだけでよい
あそぶときのアドバイス
手が上まであがるように、足が 90度の角度になるように、子どもにポーズのイラストなどを提示して、子どもが体の形をイメージできるようにしておきましょう。関節と筋肉をしっかりと使って遊ぶことが大切です。指示のスピードを早めたり、ゆっくりしたりすることで楽しさも増しますし、体の使い方の変化も味わえます。
指示どおりに体が動かない場合は、大人が正面に立って見本を示しながら行なってもかまいません。なお、手袋や靴下がない場合は、シールなどをそれぞれの手や足に張り、色分けをしてもよいでしょう。
遊びをアレンジ
ゴロンはたあげ
立ってやっていた全身はたあげを寝転んで行ないます。イメージしにくい場合、大人が見本を示しましょう。両足のあげ下げもできるのでポーズの幅が広がります。
ミラー体操
大人と子どもが向かい合って立ちます。大人はいろいろなポーズをやって見せましょう。子どもはそのポーズをまねて、同じように手足を動かします。
ここからやってみよう!
左右の手足を意識して動かすことで、ボディイメージが育まれることが期待できます。固有感覚に感覚が取り込まれ、片足立ちポーズを取り入れることで前庭覚が刺激されます。指示を聞きとってすばやく反応することは、ボディイメージの未熟な子どもには大切な遊びです。複数人で遊ぶのも楽しいでしょう。
【出典】『発達が気になる子の感覚統合遊び』著:藤原里美
【書誌情報】
『発達が気になる子の感覚統合遊び』
著:藤原里美
子どもの困った行動には意味があり、感覚統合の視点から理解すると、これらは感覚情報の処理がうまくいかない結果であることがわかります。感覚統合は「発達凸凹」の子どもたちの支援に重要で、「遊び」を通じて子どもの能力を引き出す方法が強調されています。「発達が気になる子の感覚統合遊び」では、理論編と実践的な遊び編で構成されており、100以上の遊びを紹介しています。遊びを通じて子どもの情動を安定させ、成長を促すことを目的としており、子どもの理解と支援を促し、幸せな未来を共に築くために読んでおきたいおすすめの一冊です。
公開日:2024.08.20