あそび13:両手でタッチ
こんな子におすすめ!
- 距離がうまく保てない、よくぶつかる
あそびかた
- ひざをたたいてから両手のひらを相手に向ける「ポン・パ」
大人が差し出した両手に、子どもが両手でタッチして遊びます。大人と子どもで2人組をつくり、大人がひざを1回たたいてから、適当な距離をとった両手を相手に向けて差し出します。 子どもも1回ひざをたたいてから、大人の両手に合わせてタッチします。これをいろいろな幅や位置で繰り返しタッチして楽しみます。
効果とねらい
- 両手の幅と位置を見て捉えて、スムーズに両手を同時に動かす
- 手の位置が変わるので、その変更に合わせて手の位置や幅を視覚や触覚で捉えて、手や腕の関節、筋肉を適切に動かし調整する
注意点
- 子どもがタッチしやすい幅や位置を見極めて、両手を差し出す
- 子どもが合わせやすいリズム、ペースを考える
あそぶときのアドバイス
リズミカルにお互いが、「ポン・パ」というように両手のタッチを促します。ゆっくりとはじめ、徐々にスピードアップしていくと楽しいでしょう。
手の位置は横、縦、斜め、また幅を広め、狭めなどと変化をもたせて遊びを展開させます。年中以上であれば、子どもどうしでも遊ぶことができるでしょう。ハイタッチのように、手をピタリと合わせる感覚と変化を楽しみます。
差し出された両手の位置を視覚で捉え、認識して ( 視覚や触覚 ) 反応していくことで空間と体の位置の捉え方が上手になり、前庭覚のつまずきの改善につながります。
遊びをアレンジ
指でタッチ
手のひらでのタッチを人差し指に変えて遊びます。人差し指を立て、両手でタッチと同じリズムで指先と指先をくっつけましょう。
クロスでタッチ
両手でタッチと指でタッチを組み合わせて、両手を交差させたタッチも取り入れます。大人の動作に対応して、手のひら、指、クロスを合わせて遊びましょう。
ここからやってみよう!
関節や筋肉をスムーズに動かすことで、固有感覚にもアプローチします。リズムのかけ合いも楽しみながら、相手に合わせる気持ちを育みましょう。両手でタッチからはじめて、指、クロスとむずかしくしていきましょう。「うまくタッチできた!」という達成感を大切にしてください。
【出典】『発達が気になる子の感覚統合遊び』著:藤原里美
【書誌情報】
『発達が気になる子の感覚統合遊び』
著:藤原里美
子どもの困った行動には意味があり、感覚統合の視点から理解すると、これらは感覚情報の処理がうまくいかない結果であることがわかります。感覚統合は「発達凸凹」の子どもたちの支援に重要で、「遊び」を通じて子どもの能力を引き出す方法が強調されています。「発達が気になる子の感覚統合遊び」では、理論編と実践的な遊び編で構成されており、100以上の遊びを紹介しています。遊びを通じて子どもの情動を安定させ、成長を促すことを目的としており、子どもの理解と支援を促し、幸せな未来を共に築くために読んでおきたいおすすめの一冊です。
公開日:2024.08.27