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スタットキャストの出現で野球界変わった!柳田悠岐に留まらずNPBでも押し寄せる「フライボール革命」の波

Text:大利実

プロ野球“最新トレンド”とは?

「トラックマン」や「バレルゾーン」、「フライボール革命」といった言葉をご存じだろうか?近年、野球界ではMLBを中心に大きな変革が起きている。最新のテクノロジーを駆使して野球のプレーを数値化、データ化することで見えてきた“球界の最新トレンド”とは? メジャーリーガーやプロ野球選手などをサポートしている株式会社ネクストベース・アナリストの森本崚太さんに話を聞いた。

野球界を大きく変えたスタットキャストの出現

――近年、「フライボール革命」「バレルゾーン」「ピッチトンネル」など、MLB発の新しい言葉を耳にするようになりました。MLBで何が起きているのでしょうか。

森本 もっともわかりやすい変化は、2015年以降に本塁打数が急増していることです。2019年には歴代最多の6776本塁打を記録。その背景にはMLBが「スタットキャスト」というシステムを本拠地全球場に導入し、投球と打球の全ての軌道をトラッキングし始めたことがあります。このシステムを取り入れたのが2014年になるのです。


――翌2015年から本塁打が急増。関係性はかなり強そうですね。

森本 1年間で見ると、投球だけでおよそ73万球、打球だけで13万球近いデータを取ることができます。膨大なビッグデータを解析していく中で、打撃面で言えば、「どのぐらいの速度で、どのぐらいの角度の打球を打てば、ホームラン(長打)になりやすいか」という答えが見えてきました。バッターは練習からそこを狙って打つようになり、結果的にホームランが増えた流れがあります。

――以前から「このぐらいの角度ならホームランになりやすい」というイメージはあったと思いますが、具体的に何度なのかまではわかっていませんでしたね。

森本 膨大なデータから、長打になりやすい打球速度・角度として導き出されたのが「バレルゾーン」です。例えば、打球速度が159キロであれば25~31度、161キロであれば24~33度。打球速度が速くなればなる分、長打になりやすい角度も広がっていきます。また、近年は、グリップに装着して、スイング軌道やスイング速度などを測るセンサーも開発され、MLBやNPBで使われています。自分のスイングを的確にフィードバックできるようになり、技術向上に役立っています。

――NPBでも「フライボール革命」の波は来ていますか?

森本 間違いなく、来ていますね。柳田悠岐選手(ソフトバンク)に代表されるような個人での取り組みだけでなく、前年に比べて明らかに打球角度が上がっているように感じる球団もあります。高校生を見ても、アッパー軌道で角度を付けるバッターが増えている印象です。

【PROFILE】森本崚太(もりもと・りょうた)1992年10月18日生まれ、東京都出身。國學院久我山時代はエースとして活躍。現在は株式会社ネクストベースのトップアナリストとして、トラッキングデータをはじめとした野球データの解析を担当している。侍ジャパン社会人代表ほか、プロ・アマ問わず数多くの投手の球質測定やピッチデザインも行っている。8月27日には初の著書『野球データ革命』を出版した。

出典:『がっつり! プロ野球(29)』

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