FA上手い球団下手な球団
毎年話題になるFA制度。上手に使ってチームを強化しているのはどの球団?そんなFA制度の実情を斬る!
数々のドラマが生まれたFA制度
1993年の導入初年度にFA制度を最初に利用したのは、松永浩美、駒田徳広、落合博満、石嶺和彦の4名だ。中でも印象深いのは、ロッテ、中日と2球団で活躍していた落合博満の巨人入りで、当時中日の顔とも言える存在だった落合博満が、巨人の監督・長嶋茂雄と並んで行った入団会見には、多くのファンが驚かされたことだろう。このように、FA制度による移籍には大きな話題とドラマが生まれることが多い。導入2年目には、ヤクルトの4番だった広沢克己が巨人へ、西武のエース・工藤公康がダイエーへ移籍。その2年後には、ドラフト会議で涙の西武入りを決めた清原和博が念願の巨人入りを果たし、桑田真 澄とのPL学園“KKコンビ”が12年ぶりに復活することが話題になった。こう振り返ると、FA権を行使して移籍する選手は、その年代でトップの活躍をしている選手ばかりだというのがよく分かる。
そもそも、FA制度とは、選手と球団との交渉権がフリーになり、自由に契約を交わすことができる制度のこと。日本のプロ 野球はドラフト制度で入団することが基本となっているため、自分の希望する球団と契約交渉をするためには、この制度を利用するしかない。ただ、FA権を行使するには、出場選手登録(145試合/年)を規定年数分だけクリアしなければならないため、誰でも簡単に好きな球団へ入れるという制度ではない。選手も球団も、より良い条件の契約を求めているのだ。
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公開日:2020.04.27