いつの時代もスピードは投手のロマンです!高校野球最速投手列伝
投手のロマンと言えば速球。プロ顔負けの速球を投げる球児が現れたら誰もが胸をときめかせることだろう。そんなロマンに彩られた球児たちを振り返る。
新垣渚と共に甲子園で最初に高校生史上最速の称号を得た松坂大輔
野球ファンは誰しも「目で見える圧倒的に凄いもの」が大好きだ。例えば野手の華がホームランなら、投手はストレート。それも誰も投げられないような球速を叩き出せば、誰もがその投手に夢を見る。いつだって、速い球は投手にとってのロマンと言える。
さて、高校生史上最速投手。高校野球を愛するオールドファンならおそらく「江川卓(作新)が150キロを出していたはず」と言い張るだろうが、残念ながら当時はスピードガンがなかったので推測の域を出ないし、1985年に中山裕章(高知商)が150キロを記録したという説もあるにはあるが、公式の記録として甲子園で最初に150キロの壁が破られたのは1998年のことだった。
この年の甲子園の最大の注目選手と言えば「平成の怪物」と称された松坂大輔(横浜)。常時140キロを超える速球で打者を圧倒する本格派のピッチングはプロ顔負けのもので、この大会のナンバーワン投手の称号をほしいままにしていたが、松坂が額面通りに光り輝いたのが2回戦の対鹿児島実業戦だった。
1回戦でノーヒットノーランを達成した左腕・杉内俊哉との投げ合いとなったこの試合。松坂は初回から鹿児島実業打線に自慢のストレートを狙い撃ちされたものの、「打てるものなら打ってみろ」と言わんばかりに速球中心に攻める投球で鹿児島実業を6回まで無失点で被安打2、5奪三振とほぼ完璧に封じ込める。2回表には自己最速となる151キロを記録し観客はもちろん、スピードガンを携えていたスカウトたちの度肝を抜いた。
結果、松坂は9回まで投げ切り、被安打5、9奪三振、四死球はゼロというほぼ完ぺきなピッチングで完封勝利。最後の打者にも143キロの速球で三振を奪うなど、最後までその球威は衰えなかった。ちなみにこの試合、松坂はバットでも杉内からダメ押しの2ランを放つなど、投打ともに平成の怪物の面目躍如ともいうべき活躍を見せた。
高校生投手“歴代最速投手”の変遷
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公開日:2021.08.26