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ドゥカティワークス加入の2025年、MotoGPチャンピオン候補のマルクマルケス! その軌跡を振り返る!〈MotoGP〉

2025年のチャンピオン候補筆頭! 振り返るマルク・マルケスの奇跡の軌跡!

 

2月28日のタイGP(グランプリ)から開幕する2025年MotoGP! 3年連続でチャンピオンを輩出しているドゥカティが、今年も速さを見せつけるのか、それともホンダ、ヤマハの日本メーカーが巻き返すのか? アプリリアから初参戦する小椋藍選手の走りは、最高峰の舞台でも通用するのか? 見どころ満載で目が離せないシーズンが幕を開けるが、最も注目すべきポイントは、ドゥカティのワークスに新加入したマルク・マルケスではないだろうか。

ここでマルク・マルケスの経歴を振り返ってみよう。
2010年、ロードレース世界選手権125ccクラスでチャンピオン獲得。17歳と263日での世界チャンピオンは、ロリス・カピロッシ(1990年)に次ぐ史上2番目の若さでのタイトル獲得であった。2011年からMoto2昇格を果たしたマルク・マルケスは初年度こそケガの影響があったものの、2012年にMoto2クラスチャンピオンを獲得。当時引退を表明表明していたケーシー・ストーナーに代わり、2013年シーズンからホンダワークス(レプソル・ホンダ)でMotoGPクラスに参戦することになる。

マルク・マルケス

ここまでの経歴でも、順調にステップアップする若き天才ライダーの姿が見えてくるが、本当のマルク・マルケス伝説はここからがスタートだった。2013年はホンダワークス仕様のRC213Vを駆り、ウインターテスト中から大型ルーキーとして大きな注目を集め、MotoGPクラスデビューとなった開幕戦カタールGPで3位表彰台に立った。なんとデビューレースでいきなりポディウム(表彰台)に昇ったのである。

そして第2戦アメリカズGPは、初開催となるサーキット・オブ・ジ・アメリカで行われ、予選でポールポジション(PP)を獲得。決勝では最高峰クラスデビューから2戦目で初勝利を挙げる。最高峰クラスにおいて20歳62日でのPPと20歳63日での優勝は、共にフレディ・スペンサーが1983年に記録したものを上回る最年少記録で、30年ぶりの更新となった。

結局2013年シーズン、マルク・マルケスは6勝を上げデビューイヤーにチャンピオンに輝く。最高峰クラスのデビューイヤーにチャンピオンを獲得したのは、史上2人目。20歳266日での最高峰クラスのタイトル獲得は、史上最年少記録。ロードレース世界選手権の3クラス(125ccクラス/Moto2クラス/MotoGPクラス)のタイトルを獲得した史上4人目のライダーとなる。ちなみに最高峰クラスにおけるデビューイヤー6勝は、世界選手権発足後初の快挙であった。

そして、なんとなんと2013年から2019年の7年間で6回世界チャンピオンに輝くことになる。ルーキーイヤーでチャンピオンになったマルク・マルケスは2014年、開幕戦のカタールGPをポールトゥーウィンで飾ると、そこから破竹の10連勝を飾る。当時のMotoGP界、流行語大賞は「ストップ・ザ・マルケス」。あまりに無敵すぎて、誰がマルケスを止めるのか、もしくは止められないのか、という話題でもちきりとなる。結局、開幕からの連勝は、第11戦チェコGPで同じレプソル・ホンダのダニ・ペドロサによってストップされるのだが、シーズンを通じて圧倒的なポイント差でチャンピオン獲得。シーズン13勝の記録は、マイケル・ドゥーハンが1997年に記録したシーズン12勝という世界選手権のシーズン最多勝記録を17年ぶりに更新することになった。

ここまでマルク・マルケスの経歴を振り返ってきたが、とにかく記録づくめである。レースが始まると狙うのはあくまで優勝。転倒を恐れぬアグレッシブなライディングで、前をいくライダーを追い詰める。この「他のライダーとのバトル」が誰よりもエキサイティングで、ガンガン攻める姿がマルク・マルケスの魅力であり、強さであった。

この7年間で唯一チャンピオンを逃し、ランキング3位に終わったシーズンが2015年であった。優勝を追求するあまり転倒が増え、ポイントゼロで終えたレースが多かったのが、チャンピオンを逃す結果となった。この教訓がマルク・マルケスを「速いライダー」から「速くてクレバーなライダー」へと成長させる。レースが始まれば、狙うのは優勝。ただしリスクが大きいなら2位フィニッシュでもよしとする姿勢が見えるようになる。そして2016年、2017年、2018年、2019年と4連覇を達成し、このまま連覇をどれだけ伸ばすのか、という圧倒的な強さを見せる。

しかし2020年、運命を変える事故が起きるーー。
(後半につづく)

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