SPORTS COLUMN
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強豪に完勝したジャパンの底力

Text:向風見也

エディーHCの檄でジャパンが蘇った!

日本 26 - 5 サモア

15年9月23日のスコットランド代表戦を10対45で落としてから、エディー・ジョーンズヘッドコーチは選手に雷を落とした。19日に南アフリカ代表を34対32で下した余韻に、まだ、浸っているのか……。そんな内容の激を飛ばしたようだ。

予選プール第3戦でのジャパンの戦法は「セットプレーの回数を増やし、圧倒する」だ。相手のサモア代表は身体が大きく力感十分。しかし、小兵集団がまとまりで勝機を見出せるセットプレーでは、ジャパンに分がありそうだったのだ。

スクラムでは身長190センチ、体重135キロの右プロップ、センサス・ジョンストンを標的とした。この巨躯を左プロップの稲垣啓太とともに挟み撃ちにし、全員で競り上がる……。戦前、フッカーの堀江翔太副将はこう想定した。「低くまとまりたい。組むごとに『ああしたら』『こうしたら』を話すようにします。上手いこといけば、どんどん相手にプレッシャーをかけられる」

ラインアウトからのモールも確認。相手の横槍がオフサイドと判定されない場合も想定し、組み込んだ。

オセアニアの強豪を相手に見せた完勝劇

10月3日、ミルトン・キーンズはスタジアム:mk。結論。南アフリカ代表戦と同じく「準備」が実った。

まずは前半24分、一時退場処分でフォワードが7人となっていたサモア代表を、日本代表の8人がスクラムで押し込む。ジョンストンが崩れ落ちるのを見届け、認定トライを奪った。殊勲の稲垣は、「ここで耐えたら認定……と考えられた」。フルバックの五郎丸歩のコンバージョンも決まり、スコアは10対0。

球が動くさなかも然り。フランカーのリーチ マイケル主将の、「レフリーを味方に」との意識が奏功した。クレイグ・ジュベールを「攻撃側に有利な笛を吹く」と見たチームは、ランとパスを重ねる。サモア代表の規律を乱し、さらにジャパンが自軍ボールを得た。好循環だった。

守ってもスタンドオフのトゥシ・ピシら、キーマンの走路を抑え込んだ。こちらも「準備」通りだった。ピシはサントリー所属で、日本代表には多くのチームメイトがいる。その1人のウイング、松島幸太朗は、「上手くいかなくする秘訣は知っている」。対面と両サイドのタックラーが、常に司令塔をチェックした。

大会前には躍進を期待されていたサモア代表は、この日、沈黙。ピシは「ミスが多く攻撃ができなかった。ジャパンの守備は堅かった」。