こんな仮説はどうでしょう?移籍選手は2年目以降に飛躍する!?
FAでもトレードでも、新加入選手の存在は球団、ファンから大きな期待を背負わされる。当然のように「移籍即、活躍」を求められるが、実は彼らの真の実力は移籍2年目以降に発揮されることが多いのでは……!?そんな仮説を徹底検証します!
福留/涌井/岸が証明!移籍選手は2年目以降の成績で判断すべき
近年移籍を果たした選手で、2年目以降に成績を伸ばした選手の一覧を見てみると、「移籍選手は2年目以降に真価を発揮する」という本誌の仮説を理解してもらえるだろう。例えば、福留孝介。2013年にメジャーから帰国。大きな期待をもって迎えた移籍1年目だったが、ひざの故障もあって打率は2割を切ってしまった。当時すでに36歳という年齢もあって一部では「限界説」も囁かれたが日本球界に慣れた2年目以降、成績はV字回復。2015年には20本塁打、2016年には実に10年ぶりとなる打率3割を記録。43歳となる今季も阪神打線の主軸として期待されている。
涌井秀章、岸孝之、山口俊といったFA移籍組投手も2年目以降に成績を伸ばしている。涌井秀章は移籍1年目こそシーズン8勝に終わったが、翌年に15勝を挙げて復活。自身6年ぶりの最多勝を記録している。岸孝之も移籍1年目の8勝から2年目は11勝と4年ぶりの2ケタ勝利。自身初となる最優秀防御率を受賞している。山口俊は移籍1年目こそ右肩痛や飲酒トラブルによる出場停止などがあって1勝どまりも、翌年は9勝、移籍3年目の昨季は15勝を挙げ、オフにメジャー移籍を果たしている。
FA移籍選手はそもそも大きな期待を背負って移籍するが、トレード移籍の際も 年目以降に成績を伸ばす選手は多い。代表的なのが大田泰示だ。2017年、それまで在籍した巨人からトレードで日本ハムに移籍した大田泰示は、1年目からブレイク。すべての打撃成績でキャリアハイを記録するなど、それまでなかなか花開かなかった才能を爆発させた。太田泰示の場合は1年目から結果を残したともいえるが、2年目以降にしっかりと数字を伸ばしている。昨季は自身初の20本塁打を記録。「恐怖の2番打者」としても起用され、今季の推定年俸はついに大台の1億円を突破した。
2018年途中にオリックスから トレードでDeNAに移籍した伊藤光も、新天地で再び出番をつかみ、移籍2年目にさらに飛躍した選手だ。オリックスでなかなか出場機会を得られずにいたが、移籍を機にスタメンマスクを任される機会が増え、2 年目の昨季はキャリアハイの8本塁打とバットでも存在感を発揮。DeNA投手陣を牽引している。
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公開日:2020.04.19