SPORTS LAB
- スポーツを通じて美しくそして健康に -

180度開脚できても役に立たない!

少し前に体が硬い人でも180度開脚ができるようになれる!というようなブームがありました。そのブームがきっかけでストレッチに関心を持つ人が増えるのはよいことですが、健康面、美容面で得られるメリットはほとんどないのです。それどころか実は注意も必要です。

自力で股関節を外側に開く(=外転させる)ときの可動域の標準的な数値は、左右それぞれ45度、つまり開脚は90度できれば問題ありません。180度となるとその倍ですから、生理的な関節可動域(他力的に動かした際に関節が損傷する直前の可動域)を超えてしまうので、股関節にトラブルが起きる可能性があります。男性よりも骨盤が広く股関節のゆるい女性にとって、開脚は比較的容易であるとはいえ、実際に股関節周囲の靭帯や筋肉などを痛めてしまう方が少なくありません。

動物の体の動きは基本的に、体を左右に縦切りする矢状面前後に縦切りする前額面、水平に輪切りする水平面のいずれかで行われます。人の場合、頷く、前かがみになる、歩く、しゃがむ、立ち上がる、階段を上り下りするなど、矢状面における動きがほとんどです。ですから、首や胴体、腕や足などを前後に動かすための柔軟性はとても重要です。

180度開脚は前額面、あるいは水平面の動きですが、私たちは日常生活で体を横に動かす機会はほとんどありません。180度開脚は、バレリーナやプロダンサーなどをイメージさせる憧れのポーズかもしれませんが、そもそも必要のない動きなので、リスクの高いポーズといえます。

【書誌情報】
『世界一すごいストレッチ』
監修:坂詰真二

1日たった10秒でモデルのような美しい姿勢が手に入る!『世界一やせるスクワット』の監修者が教える、効果絶大な“世界一すごいストレッチ”を大公開!「太りやすい」「なんか最近疲れやすい」「実年齢よりも老けて見える」そんな人はその姿勢に原因があるかもしれません。雑誌やテレビで活躍するモデルさんなどがそうですが、パッと見で全身がキレイに見える人はただ単に痩せているから、というわけではなく、“姿勢”がとても整っています。デスクワークやスマホの普及などにより、下を向く機会が増えたことで、うしろ姿が猫背姿勢になっている方は多くいます。本書では、1日10秒で効果絶大な、姿勢が良くなる“おなか”と“胸”を同時に伸ばせる究極の時短ストレッチを紹介します!姿勢が良くなることで見た目にオーラが漂うだけでなく、健康面でも様々なメリットがあるほか、太りにくいカラダも手に入ります。さらにカラダが無理なく伸ばせるのでとても気持ちよく、リラックス効果も抜群です。どこでも簡単にできるたった10秒のストレッチ効果を、ぜひ体験してみて下さい!