SPORTS LAB
- スポーツを通じて美しくそして健康に -

  • HOME
  • SPORTS LAB
  • 阿河徹が語るゴルフが上達するためのちょっとした意識とは?【100を切れない7つの理由・10の上達法/阿河徹】

阿河徹が語るゴルフが上達するためのちょっとした意識とは?【100を切れない7つの理由・10の上達法/阿河徹】

Text:阿河徹

「変化に対するストレス」が上達の邪魔をする

私はコーチとして約2万人の症例がありますが、100を切れない、90を切れないというゴルファーの大半は「クラブの入れ替え現象がない」という動作パターンに当てはまります。かつてかかわっていたゴルフスタジオでも、約2000人の症例のうちの約4分の3が、角速度を使えていないゴルファーでした。

わざわざスイングチェックをしようとやって来る人たちでさえこういう数字ですから、自己流でやっていたり、あるいは上司が師匠などという人たちは言わずもがなでしょう。ボールを打つメカニズムが根本的に間違っていると、いくら練習してもどこかで限界が来ます。その状態から脱却するには、正しいメカニズムを覚えるしか道はありません。

ところがこれがなかなか難しくて、現実的には間違って覚えたスイングでプレーし続ける場合がほとんどでしょう。これは人間に「変化に対するストレス」というものが存在するからで、普通の人は何かが変わることに物凄いストレスを感じるのです。

たとえば職場を変えるのもそうでしょう。人材派遣会社にスカウトされて、破格の条件を提示されたとしても、職場を変えるのはストレスがかかりますから、行かない人が多いのだそうです。

ゴルフでも、ふだん出ないようなスコアが出るとそれもまたストレスです。いつも90台で回っている人が前半のハーフで38とかが出たりすると「どうしちゃったんだろう、俺」なんて考え始めて、落ち着かなくなるんですね。後半はボロボロになって、結局いつものスコアに収まることが多いんですけど「やっちゃったよ」とか嘆きながらも「やっぱりこんなもんだよな~」なんて内心ホッとしていたりします。

スイングを変えるのも同じで、長年慣れ親しんだ打ち方をやめるのは物凄くストレスがかかりますから「変えたいな」と思いながらも、実行できる人は少ないのです。

私の元にもときどき「スライスを直して欲しい」という人が来ますが、そのスイングで何万球も打ってきていますから、これを修正するのはそう簡単ではありません。

最初にボールを打つメカニズムを説明するのですが、インサイドアタックはまだ理解できても、タメを作ってクラブヘッドを背中側にキープすることにはアレルギーがあります。

「馬鹿野郎、俺がどれだけスライスを打ってきたと思ってるんだ! わざと振り遅れるなんてできるわけないだろう!」と言葉に出さないまでも、内心そう思っているのがヒシヒシと伝わってきます。タメを作るとフェースが開いているような気がするので、なおさらまっすぐ飛ぶ気がしないのでしょうが、軌道に対して開いているわけではないので問題ありません。でも嫌なんですね。オープンフェースへの恐怖感は相当な抵抗勢力なんですよ。

【書誌情報】
『100を切れない7つの理由・10の上達法 劇的に上手くなるスイングの作り方』
著者:阿河徹

なかなか上手くならないアマチュアゴルファーのスイングには、致命的な欠陥がある。そこで本書では、アマチュアのスイングの悪いクセを7つを解説。さらに、著者が「スイングの設計図」と呼ぶ、正しいスイングの動きをイラストでわかりやすく紹介する。そして、その基本の動きが身につき、上達に役立つ10のスイング・ドリルも公開する。スイングに悩んでいる人をはじめ、これからスイングを学ぶ人、基本を再度見直したい人も活用できる一冊である。

芝山ゴルフ倶楽部 視察プレーのご案内