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飛距離に差が出る手首の使い方とは!?【100を切れない7つの理由・10の上達法/阿河徹】

Text:阿河徹

手首の使い方はクラブフェースの動きと共に理解すれば間違わない

バックスイングについてもう少し詳しく説明しましょう。バックスイングが8時の位置まで上がったときに、クラブのリーディングエッジと前傾角度がほぼ同じになります。そこから9時、10時と上がって来るにつれてフェースの向きは「オープンローテーション」と言って徐々に開いていきます。

ここでフェースが開かないと右腕の外旋運動(外向きの回転)が発生せず、トップオブスイングがクロスのポジションに入ってしまいます。ですから手首の動きとしては、アドレスから8時までは何もしません。8時の位置でやや斜め下を向いているフェースを開いていき、9時もしくは10時の位置で「トゥアップ」と言ってトゥが真上を向いた状態になり、その後さらにフェースを開いていくと正しいトップの位置に収まります。このときフェースの向きは地面に対して45度になっていることが基本です。

手首の動きはなかなか把握しにくい部分ではありますが、グリップをストロングに握っているか、ウィークに握っているかで変わってくるので、フェースの向きで把握しておいたほうが安全です。いま説明したように、アドレスでフェースがスクエアな状態から、8時まで体の回転で上げて、そこからトゥアップを経て、トップオブスイングで斜め45度に収まるときの手首の動作が正しい使い方だと理解してください。

このとき重要になるのが左手首の動きです。8時の位置ではグリップエンドに対してヘッドが下にありますが、9時や10時の位置になるとグリップに対してヘッドが上に来ます。ということは手首の角度が変わっているということで、これが「コッキング」という動作です。

「コッキング」がいまひとつわかりにくければ、まっすぐ立って腕を伸ばした状態で左手でクラブを持ち、ヒジを曲げずに手首でヘッドを上下させてみてください。8時の位置からこのコッキングと右腕の外旋動作が、ミックスしながらクラブフェースが開きつつトップオブスイングに向かっていくわけです。

コッキングが上手くできず、クラブヘッドを上げ下げする動作の起点が、ヒジになるとかつぎ上げるようなトップになりますし、動作の起点が肩になるとアウトサイドに上がりバンザイするような恰好のトップになってしまいます。

ですからオーバースイングやクロスのトップに悩んでいるような場合も、手首だけでクラブを上下する練習をしてください。コッキングが正しくできるようになれば、バックスイングで左ヒジが折れず、オーバースイングにもクロスにもなりません。

長年トップオブスイングがいいところに収まらずにいるような人も、左腕を曲げないことで驚くほど改善されますので、ぜひ試してみてください。

手首の使い方には右手にもポイントがあって、トップオブスイングでどこにクラブが乗っているかが重要です。

人差し指の第2関節付近に乗っていれば、振り下ろしたときに右手首の角度が保たれるか、さらに角度が深まるのです。そうするとインパクト付近でその角度が一気に開放され、クラブを上から入れられると共に、加速することができます。

ところがクラブを鷲掴みにするように握って、グリップが手のひらに乗ってしまうと、切り返し直後に角度がほどけてしまうので、スピードや入射角と言った角速度による旨味を享受することができなくなります。このグリップで無理に手首の角度を保とうとすると、インパクトの後も手首の角度がほどけませんので、クラブヘッドはまったく加速しません。

地味なようですが、これは重要なポイントで、手首のタメを作ろうと一生懸命練習しても、体の仕組みがそれにハマらないと1万球打ったとしてもできるようにならないのです。これからレベルを上げていきたいという人は特に、留意していただきたいポイントです。

右手1本でクラブを持ち、クラブを振り上げたらグリップを人差し指の第2関節と第3関節の間に乗せ、右手首の角度を保つことを意識しながら振り下ろしてください。

このドリルでインパクト付近の急激な加速がどういうものかが理解できるはずです。

力はあるのに飛ばないのはなぜだろう? と首を傾げているような男性ゴルファーは、右手でグリップを強く握りすぎている場合が多いものです。そのためにタメも作れませんし、右手で叩きにいくから、グリップエンドとクラブヘッドが同じ方向に運動を続け、クラブヘッドの急激な加速が実現できないのです。

左手の縦コック、および右手の使い方を覚えれば、力がなくてもクラブヘッ
ドを走らせることができますし、それはつまり「飛ばせる」ということなのです。ですから、力はあるはずなのに飛ばない、力いっぱい振っているのに飛ばない、という場合は、左右の手がしっかりと役目を果たしているかチェックしてみてください。このあたりのコツをつかむとゴルフが劇的に変わる可能性がありますよ。

【書誌情報】
『100を切れない7つの理由・10の上達法 劇的に上手くなるスイングの作り方』
著者:阿河徹

なかなか上手くならないアマチュアゴルファーのスイングには、致命的な欠陥がある。そこで本書では、アマチュアのスイングの悪いクセを7つを解説。さらに、著者が「スイングの設計図」と呼ぶ、正しいスイングの動きをイラストでわかりやすく紹介する。そして、その基本の動きが身につき、上達に役立つ10のスイング・ドリルも公開する。スイングに悩んでいる人をはじめ、これからスイングを学ぶ人、基本を再度見直したい人も活用できる一冊である。

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