上級者とアベレージではリリースのタイミングが決定的に違う
さて「ミスをしない」という思考をベースにスイングを作るとどうなるかというと、切り返しからどんどんリリースが始まって、腕とクラブのシャフトが一直線上に並ぶというラインナップが早い段階で起こります。これがほとんどのアマチュアが動きとして持っているアーリーリリースです。あとはそれを横に動かしているだけの動きでボールをとらえるので飛ばないのです。
この「早くほどいて横に動かす」というダウンスイングは、動きとしてはグリップエンド側とクラブヘッド側が同時に進行していくものです。ということは、グリップエンド側の速度を速くしてやらないとヘッドスピードが上がりません。
アマチュアの人のほうがダイナミックなスイングになるのはこのせいで、手元が大きく動くので、そう見えるんですね。これに対して上級者の手元はさほど動きません。ダウンスイングにおけるクラブには「縦の入れ替わりの法則」があって、クラブヘッドが下降していくとき、手元のグリップエンド側は上昇していきますし、クラブヘッドがターゲット方向に動くとグリップエンド側は飛球線後方に動きます。
つまりインパクト付近で手元はターゲット方向に動かず、むしろ反対方向への運動が発生しますから移動距離が少ないんです。それゆえに上級者は手元の速度が上がっていかないのでスイングがダイナミックに見えず「あの人はあんなに軽く振っているのに、なんであんなに飛ぶんだろう?」ということになるんです。
【書誌情報】
『「9時・4時スイング」でゴルフはすべて上手くいく』
著者:阿河徹
「9時・4時スイング」とは、時計の9時の位置から4時の位置まで動くスイングのこと。この範囲のクラブと体の動きが、ゴルフ上達のポイントであると著者は考えている。本書は、そのスイングをする際の体の動き、クラブの動きを写真を数多く使い細部にいたるまでわかりやすく解説。加えて、スイング中の体の動きが身につく練習ドリルも紹介している。「9時・4時スイング」でゴルフは劇的に変わる!
公開日:2021.06.05