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自分の限界を知ることがゴルフ上達の最大の近道となる理由とは!?【「圧力系」インパクトの作り方/阿河徹】

Text:阿河徹

スイングがバタバタするのは自分の限界値を超えてしまうから

ここで自分自身の話を少ししますと、私の職業はゴルフのインストラクターですが、ゴルフの実力的にはアマチュアゴルファーに近いところにいると思っています。というのはゴルファーを分類すると、まず谷原秀人プロや藤本佳則プロのような、ツアープロのトップクラスを頂点とするアスリートのグループがいて、そことは一線を画すけれども上手なアマチュアゴルファーのグループがいるわけです。

アマチュアゴルファーのグループのトップはクラチャンだったり、クラチャンの決勝で負けて2位だったぐらいの人たちで、ハンデにすれば1とか2。アマチュアゴルファーとしては神様のような人たちですよね。で、自分のゴルフスタイルがどちらのグループに近いかと言えば、間違いなく後者寄りなんですよ。たまにトップ選手とラウンドすることがありますが、自分以外全員シード選手みたいなときって崩れるんですよね。なぜかというと彼らに引っ張られて、自分のポテンシャル以上のものを出そうとするからです。

 身長や筋肉量、運動能力といったもので決まってくる身体の出力の限界値というものがあるんですが、それを超えてしまっているし、関節の可動域も超えてしまいます。限界を超えさせられるきっかけとなるトリガー(引き金)は同伴競技者だけではなく、コースの距離だったりもします。たとえば全長が7000ヤードを超えると、自分のポテンシャル以上のものを出そうとしてスイングが崩壊するわけです。自分のゴルフを淡々とやればいいものを、知らず知らずのうちに力みが出て、おかしくなったというような経験をみなさんもきっとしていることと思います。ツアープロの練習はある意味、自分の排気量を上げるような作業で、そうしないと生活していけないのでやらざるを得ないんですね。

でもアマチュアゴルファーは、日本アマに出たいとかミッドアマ選手権で勝ちたいなどという場合を除いて、自分のポテンシャルの範囲内でゴルフをやればいいと思います。そうしないとなかなか安定しませんし、ゴルフをビジネスに活用することもできないでしょう。ボールが曲がりまくってティーショットはいつも林の中。ラフからラフを渡り歩いているようでは、ビジネスの話なんかできないじゃないですか。あまりにもバタバタしていると「この人、合理的な思考を持ってないのかな」なんて思われる可能性もあります。

 またいかにもアスリートといった左腕と左足が強く引っ張り合うようなトップから、前傾をキープしたままビシッ! とか打たれても、相手は当惑するだけでしょう。すっとアドレスしたらポンと無理なく打って、さりげなくフェアウェイに運んだほうがカッコいいじゃないですか。私はそういうプレースタイルをおススメしたいし、この本ではそれを作るための方法をお話ししようと思うのです。

学生時代にゴルフ部に所属していたというような場合を除いて、ゴルフをちゃんと練習しようと思い始めるのは、40歳ぐらいになってからではないでしょうか。それまでは仕事や子育てなどで時間がありませんし、経済的な事情でなかなかゴルフに打ち込めません。

時間的にも経済的にもゴルフができる環境が整ういわゆる「中年」という年代で、バリバリのツアープロのスイングを覚えようというのは現実的ではありません。それよりも早めにリストコックをしたり、早めにヒジをたたんだり、身体も大きく動かすのではなく、自分のできる範囲で関節をずらしながらコンパクトなトップを作る、というような方向に進んで欲しいと思います。

私はふだんアウトドアの練習場で指導をしているのですが、バックスイングを大きくとろうとして、その時点でスイングが崩壊してしまっているような人がよく目に付くんです。そんな中でもたまに「あの人上手いな」という人がいるのですが、そういう人というのはバックスイングをすっとコンパクトに上げて、そこからパチン! と強く叩くんですよ。どこにも無理がないから安定していますし、叩くコツを知っているのでそこそこ距離も出せる。クラチャンとかには余裕でなれる可能性があるスイングであり、多くのアマチュアゴルファーが目指すべきスタイルなんですね。

【書誌情報】
『70台は楽に出る!「圧力系」インパクトの作り方』
著者:阿河徹

ボールがクラブフェースにきちんと当たる確率を高め、飛距離が十分出る― そんなスイングを実現するため著者ススメているのが「圧力系インパクト」。小さなバックスイングで強いインパクトを実現する。本書では、このインパクトの作り方を写真を数多く用いて解説。70台のスコアも可能にする、ゴルファー待望の一冊だ。