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パフォーマンスを上げる骨格の特性から導き出した「4スタンス理論」とは!?【廣戸聡一ブレインノート】

Text:廣戸聡一

骨格の特性から導き出した「4スタンス理論」

●身体特性を4つのタイプに分類
ここまで見てきたように、立位姿勢のパターン、そして頭部の平面パターンを一定の法則性でまとめていくと、4つの骨格の型に分類することができます。これが「4スタンス理論」です。「4スタンス理論」とは、簡単に言えば「骨格が動く関節の連結部分を、各タイプの約束ごとに従って動かすと能力を最大限に発揮できる」という理論です。

人間はみな同じ構造でできていますが、もっとも自然で無理のない身体の使い方は、人によって4種類存在し、誰もがこの4タイプのいずれかに属します。ここでは、4つのタイプそれぞれの基本的な身体の使い方や特性の違いを紹介します。

●4タイプの特性を知ることで、パフォーマンスを上げる
「4スタンス」のネーミングは、人間が自然な立位姿勢をとるときに、足裏の特定のポイントを中心にバランスをとることに由来しています。それぞれが持つ重心のパターンによって身体の動かし方が違うため、その重心のパターンごとに固有のセオリーを利用することで自然な身体動作が行え、その結果、パフォーマンスを上げることができます。


具体的には、重心の前後を示す「A、B」、重心の内外を示す「1、2」の組み合わせによって「A1」「A2」「B1」「B2」に分類し、さらにそれぞれが身体の連動のさせ方に着目した「クロス、パラレル」のいずれかの特徴を持ちます。重心のパターンを導き出し、軸を作るためのベースが「5ポイント理論」で、その中の「3/5理論」が特に重要になってきます。


タイプに合った5つある中の3ポイントを軸の起点として、残り2つのポイントを積極的に可動させることで、高いパフォーマンスを得ることができます。また、胸側と背中側のどちらを意識するのかなど、それぞれのタイプに合った身体の動かし方を知り、迷いなくベストパフォーマンスを目指すことが大切です。

●身体の軸を作る「5ポイント理論」を知る
人間の身体は、軸ができることで、体幹を主導させての手足のコントロールやスピード、パワーなどの運動パフォーマンスを最大限に発揮することが可能になります。この軸を作るときに重要となるポイントが5つあり、この「5ポイント」(P1~P5)を垂直に揃えたときが、身体がもっとも安定する状態と言えます。


ただし、実際の動作では、「5ポイント」をすべて揃えたままでは動くことはできません。そこで機能するのが「4スタンス」です。軸は「5ポイント」のうちの過半数である「3/5ポイント」を動力線上に揃えることで、機能を十分に発揮することができます。これを「3/5理論」と言います。

「4スタンス」の起源は、種の存続のため

私は施術士として、のべ50万人以上の臨床経験を積んだ中で、すべての人が5つの関節「5ポイント」で軸を形成し、動作をコントロールするという、身体の使い方における決まり事に気づきました。そして、人間の立位姿勢(スタンス)を4つの足裏のポイントで分類すると、人間の動作の特性もその4タイプによってそれぞれの特徴を持つことを発見しました。これが、本書でも紹介している「4スタンス理論」です。

「4スタンス理論」とは「人間の身体の使い方は1種類だけではない。もっとも自然で無理のない使い方は人により4種類存在する」というもので、血液型と同様に、人は誰もが4つのタイプのいずれかに属しています。これは、人間が四足歩行をしていた頃から備わっていた特徴だと考えられますが、二足歩行への進化によって、4つのタイプがより顕著に現れたものと思われます。

4本の足をつっかえ棒にしてアーチのように保持していた脊柱を、2本の足で縦に支えるようになったことで、立つ、座る、歩く、走るといったさまざまな動作において、より高い精度で重心のバランスをとることが必要になったからです。ではなぜ、4タイプが存在するのでしょうか? それは「種の存続のため」だと私は考えています。血液型の存在と同じように、種の絶滅を回避するためのDNAレベルでのリスクヘッジなのです。


【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一

「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!