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身体の動かし方に大きな影響を与える4タイプに見る骨格の違いとは!?【廣戸聡一ブレインノート】

Text:廣戸聡一

のべ50万人の臨床経験から得た4タイプのエビデンス

●4タイプに見る骨格の違い
「4スタンス理論」の4つのタイプには、それぞれに合った身体の動かし方があることは前項の通りですが、私がこれまでのべ50万人以上をケアしてきた経験から、その動作の違いは骨格(骨のつき方)によるものであることがわかっています。ここでは身体の動かし方に大きな影響を与える、タイプによって異なるかかとや腰椎の骨のつき方と下腿部を含めた連動性について紹介します。

踵骨

●背屈しやすいクロスと、底屈しやすいパラレル
かかとにある踵骨は、腓骨に関節していますが、この骨のつき方に違いがあり、クロスタイプとパラレルタイプに分かれます。クロスタイプは、踵骨後ろ寄りに腓骨がついているため、かかとが後ろに飛び出しにくい形状になっています。見た目には、アキレス腱からストレートにかかとが出ており、足首の背屈(つま先を上げる)がしやすい特徴があります。「歩く」「しゃがむ」といった動作では、足の裏を意識するとスムーズに動くことができます。「泳ぐ」「滑る」動作でも同様で、足の裏を意識した「すり足」で行うとパフォーマンスがアップします。


一方パラレルタイプは、踵骨のやや前寄りに腓骨がついているため、アキレス腱よりもかかとが後ろに出た形状になっています。足首の底屈(つま先を下げる)がしやすいのが特徴で、「歩く」「しゃがむ」動作では、足の甲を意識するとスムーズに動くことができます。「泳ぐ」「滑る」動作でも同様で、足の甲を意識して行うと良いでしょう。これは、足首のケアを行う中で形状の違いに気づいたこと、そして、格闘技でアキレス腱固めや関節技にかかりやすいタイプとかかりづらいタイプの人がいることからも確認ができました。


腰椎の角度

●前傾が深い1、前傾が浅い2
腰椎の角度は、1タイプと2タイプで違いがあります。1タイプは、前傾が深く約40度の傾斜角がついています。2タイプは、後方に回旋する形で角度が浅く、傾斜角は約20度です。医学書を紐解くと「傾斜角は30度が理想」とありますが、これは平均値をとったものだと思われます。どんなに精密にデータをとっても、最終的に平均化されてしまうと、データの意味がなくなってしまう典型例と言えるでしょう。


下腿部

●4タイプに分けられる脚の運動連鎖
ある関節の運動が、隣接するほかの関節に影響を及ぼすことを「運動連鎖」と言います。「運動連鎖」には骨盤から下方に連鎖する下行性連鎖と、足部から上方に連鎖する上行性連鎖とがありますが、その連鎖の仕方は4種類に分けられることが医学的にも認められています。

この4種類が、4タイプに該当するのです。大腿骨と脛骨の下行性連鎖について言えば、大腿骨が内旋するのが1タイプ、外旋するのが2タイプで、Aタイプはそれに連鎖して脛骨が逆方向に回旋し、Bタイプは同方向に回旋するようになっています。


下腿部の骨の動きは、交差ではなくタイプによって違う

下腿部(すね)には、内側に太い脛骨、外側に細い腓骨があります。そして運動連鎖で脚が内旋・外旋する際、一般的に下腿部で「脛骨と腓骨が交差する」と考えられています。しかし、実際は「交差しているように見えるだけ」で、交差はしておらず、タイプによる動きの違いが認められます。


具体的には、1タイプは脛骨を中心に腓骨が回旋し、2タイプは腓骨を中心に脛骨が回旋します。中心となる骨が違うため、格闘技で関節技を避ける方法など、身体の動かし方も変わってきます。


【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一

「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!