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ウェイトトレーニングの正解は筋肉に効かせる?効かせない?【廣戸聡一ブレインノート】

Text:廣戸聡一

ウェイトトレーニングは「効かせない」が正解

●なぜ「効かせない」のか?
ウェイトトレーニングは、筋肉に「効かせる」のか「効かせない」のか? 一般的には、「効かせなければ意味がない」と考える人が多いようですが、実際は「効かせない」が正解です。筋肥大だけを狙ってパンプアップさせるようなトレーニングは、もはや前時代のもの。一部の筋肉に集中的に負荷をかけて筋肉を増大させていくのは、ボディビルのトレーニング法であり、日本ではこれが一般的な筋力トレーニングと捉えられ、広まってきました。ですが、スポーツに生かすための筋力を鍛えるトレーニング法と、ボディビルのトレ-ニング法は異質なものなのです。

では、「効かせない」ためにはどうすれば良いのでしょうか? それは、体幹を使うことです。体幹をはじめ全身に負荷をかけ、「どうすればリスクの少ない動きの中で、理にかなった身体の使い方ができるか」を学ぶのがウェイトトレーニングであって、筋肥大を狙うトレーニングではないのです。

なぜなら、瞬間的にどんなに力の出る筋肉を手に入れても、野球選手ならバットをボールに当てられないスイングをし ていては意味がありませんし、テニスならボールに追いつくためのフットワークを持たないプレーヤーは強くなれないからです。ウェイトトレーニングを行うときは、常に自分が行っている競技につなげる意識を持ちつつ、全身をバランスよく使うことが重要です。筋肉は、やみくもに大きくしただけでは、動作に力強さやキレをもたらしてはくれません。それどころか、間違った方法で筋力トレーニングをすれば、身体や動作のバランスが崩れて故障の原因にすらなってしまうのです。

●フレームと脳の下準備をしておく
骨組み(フレーム)に負荷がかからなければ筋肉は発達しません。骨組みに負荷をかけるためにはBIG3が適していますが、身体のフレームと脳の準備ができないうちに強すぎる刺激を与えると、身体は壊れてしまいます。ですからまずは、身体を協応させるために、フリーハンドのトレーニング(腕立て伏せ、腹筋など)を行います。

協応とは、全身が起動とともに一斉に動き出す動作のフォーメーションのことです。このトレーニングによってフレームの強度を鍛え、可動域を深めておくと、脳もしっかりと成長する準備ができますから、そのあとに、本格的に高出力を得るためのBIG3を行うようにします。しっかりとした軸があって、全身が連動してウェイトを挙げ下ろしするということが大切なのです。

タイプ別 フリーハンドトレーニング

【腕立て伏せ(Aタイプ/Bタイプ)】

【腹筋(Aタイプ/Bタイプ)】

各タイプの形を作り、一回腹筋をして起き上がり体育座りをしたところがスタート地点。そこからゆっくりと背骨が、一個ずつ地面に着くようにして、肩甲骨がタッチしないところまで降ろしたら、もう一回スタート地点へ戻るのが、最も効率の良い腹筋動作になります。

【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一

「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!