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ラグビーやアメリカンフットボールなどの競技に適応しやすい選手とは!?【廣戸聡一ブレインノート】

Text:廣戸聡一

「慣れる」ということ

●強い衝撃やスピードの経験は強みになる
格闘技はもとよりラグビーやアメリカンフットボールなど、強度が必要とされる種目では、強い衝撃に慣れていると競技に適応しやすくなります。自分がボールに夢中になっているときに、不意打ちで加速度をつけた100kgの人がぶつかってくるわけですから、蹴られたり踏まれたりという負荷を経験したことがある人のほうが、状況に対応する力があると言えます。そのときの衝撃やスピード、痛みなど、これまでの経験を脳がメモリーとして保存すると、負荷に対する反応も早くなるからです。

ラグビーを始めたいというとき、基本骨格ができているかどうかという基準は、身体つきが強いかどうかではなく、強い衝撃に慣れているかが重要です。いわゆる良い身体つきをしていても、殴られたことがない人は殴られ弱いのです。筋力トレーニングもしかりで、一度でも200kgを経験している人は、適応力が高く、上達や発達の度合いも早くなります。また、スピードスケートやスキーなど、スピード感覚が必要とされる競技でも同様で、時速200kmを経験したことがあるなどスピードに慣れていることで、より高いパフォーマンスを実現することができます。

●身体作りの最終形態=体幹の強度
「慣れ」は対応力や適応力を上げるということですが、さらに言えば、体幹の強さにもつながります。敵とのコンタクトで生じる衝撃を受け止めたり、体操競技で身体を猛烈に変形させるなど、高出力のパワーは、自分自身の身体の中でやり繰りしなければなりません。そのためには、そうした動きを繰り返し行うことで脳が骨に対しての衝撃を利用して骨密度を上げ、軟部組織を稼働させることで、高圧力を受けても身体にダメージのない状態を作り上げていくのです。これが体幹の強度ということであり、身体作りの最終形態でもあります。

【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一

「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!