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野球のピッチングフォームに見る4スタンス別の「狙う」動作の特徴とは!?【廣戸聡一ブレインノート】

Text:廣戸聡一

【狙う】廣戸聡一による動作レクチャー解説

すべての競技で必要とされる動き。「狙う」条件を満たしていくと、それが「構え」になる。

「狙う」ことは、すべての競技で必要とされる動作です。たとえばボクシングで、目を閉じて相手にパンチを繰り出していては試合が成り立たないように、目を見開いて「狙う」ことは競技の流れを作ることでもあります。ターゲット、いわゆる狙う目標は、敵や的、移動する先などさまざまですが、いずれの場合も身体が「狙う」条件を満たしていくルーティンを作ることが基本です。「狙う」ことの十分条件を揃え、競技に入る準備が整ったとき、それが構えになります。このルーティンを丁寧に行い、動きの中で訓練すると、次第に身体が自動的に「狙う」ことができるようになります。たとえ脳がほかのことを考えていたとしても、準備態勢が整ってセットアップされると、身体が反応して「狙う」ことをし続けられるのです。

●「狙う」条件を満たすルーティン
「狙う」ためのルーティンは、4段階に分けられます。

①「狙う」と考える
まずは「狙う」と考えることで、脳を発動させます。

②正中線と手足をターゲットに向ける
安定して立ち、頭蓋と胸郭の真ん中を通る正中線をターゲットに向けると同時に、手先・足先も同じ方向に向けます。これは、ボクシングで試合の始まりにグローブで手を合わせたり、野球の投手が投げる前にボールを胸の前に置く、といった行為に該当します。

③頭蓋平面を合わせて見据える(ブレストアイ)
クロス平面またはパラレル平面のどちらか、自分の平面をとってターゲットを見据えます。このとき、狙う意識を身体のどこに持つかがタイプによって違います。

④照準目(ターゲットアイ)を設定~両鎖骨の動きを使って身体に角度をつける
片側を下げて一方を巻き上げるといった鎖骨の動き=鎖骨のロールアップで、身体の角度を作ります。たとえば弓道では、弓と矢を身体の正面で構えて的を見据えると同時に、鎖骨の左側を下げ、右側を巻き上げる動作で身体に角度をつけます。鎖骨を動かすことで狙いが定まるとともに面が入れ替わり、動作が始動します。

●スムーズな「鎖骨の動かし方」
鎖骨の動きに関して、2つのタイプで動かしやすさに違いがあります。

●野球のピッチングフォームに見る「狙い」
野球のピッチングフォームに表れる、タイプ別の「狙う」動作の特徴を解説します。

●ボウリングに見る「狙う」ルーティン
実際の競技の中で、どのように「狙う」ルーティンが行われているか、ボウリングを例にとって説明します。基本は、まっすぐに立って直立姿勢で構えること。そして、鎖骨で左右の高低差を作り、「面の入れ替え」でボールを投げます。

① ボールコントロールのイメージから投擲スポット(ボールの投入口)、ピンを見定め、正対して正面を見る。
②胸の前にボールを収める。
③ボールの下に手を入れると同時に、頭蓋平面を合わせてピンを見据える。
④ 鎖骨をロールアップしながら足を動かすと、ボールを投げられる体勢になる。移動しながさらに狙っていく。

【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一

「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!