【トランスフォーム(変体)】廣戸聡一による動作レクチャー解説
あらゆる練習の目的は「骨に動作を覚えさせること」。そして身体の形を変えることがトランスフォーム。
トランスフォームとは「身体の形を変えること」で、「変体する」という言い方もします。自分の軸を保持した状態で、身体がいろいろな形に変化するということです。たとえばゴルフのスウィングの場合、安定した状態で地面に触れている足底や、止まったグラブを持っている手のひら、ボールを見ている頭といった部分が止まっていても、体幹部分だけを好きなように動かす。これがスウィングする場合の正しいトランスフォームです。
「面の入れ替え」と「体幹のスペース作り」を繰り返すことが「トランスフォーム」の目的。出力もスピードも安定も求められるトランスフォームは、「総合的なパフォーマンス」とも言えます。窮地に陥ったときに条件に合わせてトランスフォームできるかが重要で、あらゆる競技の練習の目的は「トランスフォームを身につけるため」と言っても過言ではありません。
●トランスフォームの原型「コアシックス」
スポーツ指導の現場では、よく「遠心力を利用してパワーを乗せる」という言い方を耳にします。しかし、人の身体の中心を貫く背骨は、まっすぐな棒ではありません。人の身体は、駒のように身体の中心線でクルクルと回ったりはしないのです。背骨の可動によって身体が回転して見えるのが正解です。そして、この背骨の6方向の可動を高めるトレーニングを「コアシックス」と呼んでいます。
①前後可動系コアシックス…背骨の前後の屈曲可動を高める。
②左右可動系コアシックス…背骨の左右の屈曲可動を高める。
③回転可動系コアシックス…背骨の内外の回転可動を高める。
④複合可動系コアシックス…背骨の屈曲・回転可動を複合させながら高める。
①前後可動系コアシックス
背骨の前後への屈曲可動を高める。
②左右可動系コアシックス
背骨の左右への屈曲可動を高める。
③回転可動系コアシックス
背骨の内外の回転可動を高める。
④複合可動系コアシックス
背骨の屈曲・回転の可動を複合させながら高める。
【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一
「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!
公開日:2021.06.04