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4スタンス理論における陸上競技[やり投げ]での最適なパワーポジションとは!?【廣戸聡一ブレインノート】

Text:廣戸聡一

陸上競技 [やり投げ]競技別解説

猛烈な急停止を推進力にやりを飛ばす

球体ではなく、長い棒をコントロールして遠くへ投げるには、垂直の強い踏み込みと、やりをピンニングする技術が必要です。そしてピンニングした角度のままやりが飛んでいくように、やり自体に後方から前方に推進力をかけることがポイントです。長さのあるやりの場合、助走でやりを煽るとかえって飛距離が伸びなくなってしまいます。そのため、踏み切りで急停止をすることで、加速の力と踏み込む力を同時にやりの推進力に変換していきます。このとき重要なのは、地面を「垂直」に踏むこと、そして、やりをピンニングして、狙った角度を変えずに投げることです。やりをピンニングするということは、腕の振りではなく自分の身体全体でストロークするということですから、踏み切ったあとはスローイング側に身体が動いていきます。踏み圧とやりのピンニング、そして投げる瞬間に身体を変形させることによって、強い推進力を生み出すことができるのです。

競技の起源

古代からやりは狩猟や戦闘に使われていたが、紀元前708年にはやり投げの原型となる競技が行われたという。当時の競技内容は、投げ紐を使って距離を競ったり、標的を狙ったりするものだった。近代スポーツとしてのやり投げは19世紀の北欧で始まり、1906年にはイギリスの陸上選手権で初めて競技種目として行われた。

パワーポジション

パワーポジションとは準備動作から投げに移るときの姿勢で、身体にため込まれるエネルギーが最大になる状態にある。

【A1】みぞおちを前で安定させる
あご下にスペースを作りながらみぞおちを前で安定させ、その位置が前足の膝よりも前方になるようにする。前足の指先は地面をつかむように踏み、手首を反らせずに脇を軽く緩めると、無理なく構えることができる。

【A2】みぞおち裏を前方で安定させる
肩甲骨をリラックスさせてみぞおち裏を前へ押し出し、その位置が前足の膝よりも前方になるようにする。前足のかかとが浮くように踏む。手首を反らせて肘を締めると、無理なく構えることができる。

【B1】前足かかとを基点に背中を後傾させる
前足かかとを基点に背中を後傾させることで骨盤を安定させ、後ろ足に軸移動が行われる。後ろ足の足底~くるぶし~股関節のラインが一直線になるように立つ。手首を反らせて脇を締めると、無理なく構えることができる。

【B2】両肘を胸前にセットし、みぞおちにスペースを作る
両肘を胸前にセットし、腹圧を上げることでみぞおちが引かれスペースを作る。後ろ足に軸移動され、後ろ足の足底~くるぶし~股関節のラインが一直線になる。このとき前足の膝は軽く伸びる。手首は反らせず、無理なく構える。

【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一

「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!