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スポーツをプレーしていて「本当に楽しんでいるとき」とは!?【廣戸聡一ブレインノート】

Text:廣戸聡一

プレーを「楽しむ」ということ

●本当に楽しいのは、考えたことが結果につながること
スポーツに限らず、「本当に楽しんでいるとき」は、「脳みそが動いている」状態になります。脳みそを動かして楽しむと身体が疲れるため、実際はそれほど楽しんでいられません。反面、脳みそが動いていない遊びは、ダラダラと続けることができます。それが、ゲーム機やパソコンなどで遊ぶゲームです。ゲームは色や模様に対する反射で指が動いているため、実際は脳みそを使っていないのです。

では、スポーツで「脳みそを動かす」、つまり頭を働かせるとはどういうことでしょうか。たとえばゴルフなら、逆目でスピンをかけて予想より転がったように見せ、次に打つライバルに錯覚を起こさせる。野球なら、投手のロジンバッグ(滑り止め)の触り方を見て球種を予想する。というように、試合展開を読むことに頭を働かせることで、面白さが感じられるのです。また、伸びる選手は、家を出るときからその日の試合のことを終始意識して動いています。車に乗るときも試合のことを考え、試合のために会場に入り、そして試合のために着替える。

さらに、会場の状況を見て、この場所ならこんな展開になるなと考えているのです。常に状況を読んで感じたり考えたりしていると、何かあったときに「ピンチだ!」と慌てることがなくなります。さらに、そこを何とか切り抜けたときに「いやぁ焦った、でも楽しい!」と感じるようになります。これはスポーツに限らず、勉強や仕事にも当てはまること。頭を働かせ、自分のレーダーを張ること自体が、実は「楽しんでいること」なのです。

●ドラマがなければ面白くない
あるベテランのプロ野球選手が「すごい投手がいる」と言うので話を聞いてみると、「球速はさほど速くないものの、ベース上で速くなるため、バットを当てることしかできない。でも、当ててファウルにしていると、フォアボールか三振しかなくなるので、とにかく前に飛ばした」と言うのです。

ボールが前に出なければ展開は生まれません。打ち崩すのは狙わず、「難しい投手のときは強く遠くへではなく、とにかく前に飛ばす」と割り切る潔いさぎよさ。そして自らがゲームの面白さを生むためのドラマを演出する。さすがベテランの為せる技です。このように、試合ではアクシデントやドラマがあるのが当たり前ですから、常に何かドラマが起こると考えて頭を動かしておく、準備しておく、ということが大切なのです。

競技の起こりや道具を楽しむ

まずはスポーツの持つルール、そして競技としての起承転結を楽しんでみてください。たとえば「ラグビー」は、「サッカーはなぜボールを持って走ってはいけないのか?」というところから生まれたものですし、「アメリカンフットボール」は、「サッカーはなぜドリブルをしなければいけないのか?」というところから生まれたものです。また、新たに競技が生まれるときには、参加した人全員がフェアであることを前提としたルール作りが必要なため、さまざまな人の意見を聞くなど紆余曲折を経ています。ルールが熟成されていく過程も含め、競技の成り立ちは大変興味深く面白いものです。

さらに、道具や競技環境の分析も大変興味深いものです。たとえば「なぜ野球のボールは直径約7cmなのか?」「なぜボウリングのレーンの長さと、野球の本塁から投手板までの距離が、ともに約18mなのか?」「なぜ陸上のトラックも野球のベースも左回りなのか?」など、私たちトレーナーの立場では「それが人間の機能とどうリンクしているのか?」を考えますが、道具や競技環境を考えることは、競技のイメージを膨らませることにもつながるはずです。

【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一

「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!

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