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ベテランが若手スポーツ選手との接し方で気をつけるべき点とは!?【廣戸聡一ブレインノート】

Text:廣戸聡一

ベテランの役割

●豊富な経験がもたらす功罪
経歴豊かな人を「ベテラン」と言います。ただ単に年齢を重ねたのではなく、能力があったからこそチームに長くいられたわけですから、高い能力を持ち、かついろいろな意味で引き出しをたくさん持っているのがベテラン選手と言えます。若手選手がベテラン選手から学ぶことは非常に多いのですが、一方で、経験豊富であるがゆえに、ベテランならではの「ものごとの端折り方」や「パスの仕方(やらないという選択肢)」があるため、その点を若手が真似しないように、ベテラン選手自身も気をつけなければなりません。

たとえば、誰もが行う基礎練習で、ベテラン選手は既に身につけた部分の練習は「パスする」選択肢があります。本人としてはしっかりとポイントを押さえたやり方になっているため問題ないのですが、何かを吸収しようと張りついていた若手選手が同じように「パス」を選択すると、単に手を抜いているだけになってしまいます。監督やコーチとしては「手を抜くことばっかり真似しているな」と苦々しく思われることもあるでしょう。ですからベテランは、若手選手に見せることを前提に行動し、加えて、特にここは必要だというところは、しっかりと伝えていかなければなりません。

●ベテランの本当の価値は練習にある
多くの経験を積んでいるベテラン選手は、たいてい普段使う引き出しが決まっています。さらに、「この場面ではどうしたらいい?」と判断を迫られたときにとっさに使える非常持ち出し袋も持っているような、ありがたい存在です。試合で困ったときには助け船を出してくれますし、試合での目の配り方も、ほかの選手とはまったく質が違うため、頼もしさがあります(このように心配りや目配りを欠かさなかった人が、引退したのちにチームに残って、コーチや監督になっていくのです)。

ただし、やはりベテランの本当の価値は、試合よりも練習にあるのだと思います。良いベテラン選手がいれば、若手選手が自然とそれに習い、さまざまなことを学んでいくわけですから、ベテラン選手自身、自分にはそのような役割がある、また、その役割分も含めた報酬をもらっていると認識してもらうことが重要です。そして、ベテラン選手には、プレー技術だけでなく身体理論も学んでほしいと思います。経験に加えて知識をつけることで、現場でよりさまざまなことを分析できるようになるはずです。

【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一

「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!

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