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『引退直後の監督就任は失敗が多い』でも千葉ロッテマリーンズ井口資仁監督に自信があった訳は?【監督の条件.1】

Text:井口資仁

2連勝で優勝へのマジックを3とした千葉ロッテマリーンズ。その指揮官・井口資仁は、これまで監督としてチームを率いる上で、どんな思いを抱いていたのか。
開幕前、3月に上梓された書籍『もう下剋上とは言わせない~勝利へ導くチーム改革~』からその一部を抜粋してお届けする。今回は「監督の条件」。それは「大切なのは、監督になるためにどんな準備をしてきたか」。

スタンダードなのはコーチや評論家を経験

 マリーンズ監督就任を発表した直後は、メディアからたびたび「選手を引退して、すぐに監督に就任すること」に関する質問を受けた。

 NPBではMLBと違い、現役生活を終えた選手が引退直後に在籍していたチームの一軍で指揮を執る場合がある。僕のキャリアもこのパターンだ。

 ただ、このパターンで就任した監督は、指導者としての経験に乏しいため、好成績を残すケースが少ないという。実際に、引退直後に一軍監督に就任した場合、その監督がどんな成績を残したのか……根拠となるデータを調べたわけではないので本当のところは定かではないが、少なくとも現在の日本プロ野球界では「引退直後に一軍監督に就任するパターンは、失敗する場合が多い」という考え方が一般的だろう。

 まずは、コーチに就任して指導者としての経験を積んでから一軍監督の座を目指すべき。または、解説者や評論家としてチームを外から見たり、自分が在籍してきた球団以外の野球も勉強してから一軍チームで指揮を執るべき。これがスタンダードな意見である。

不安は、ほとんどなかった

 確かに僕自身もこれらの考え方には一理あると思う。一人の選手として、如何にチームに貢献するかという立場から、チーム全体をマネジメントする立場に代わるわけだ。監督として、コーチとして得た経験や、評論家として得た見識が役に立つ場合もあるだろう。何事も経験は武器になると思う。

 そんな現在の日本プロ野球界のスタンダードな考え方を受けて、僕はメディアから「引退直後に監督に就任することに不安はないか?」という主旨の質問を何度もされたわけである。

 では僕自身は「引退直後に監督に就任する」ことに対してどう考えていたのか? 正直、不安に感じることはほとんどなかった。それは、「引退直後に監督に就任する」パターンには有利な点もあるからだ。

ーー次回、「引退直後の就任が有利な点」とは?「監督の条件.2」へ続く

出典『もう下剋上とは言わせない~勝利へ導くチーム改革~』著/井口資仁 日本文芸社刊
記事内容は21年3月の書籍出版時点のもの。

書籍情報
『もう下剋上とは言わせない~勝利へ導くチーム改革~』
著者:井口資仁 日本文芸社刊

井口監督が目指す常勝チームの姿とは?
現役時代、大リーガーとしてワールドシリーズ制覇に貢献した千葉ロッテマリーンズ井口監督の改革と手腕に迫る。
ロッテは日本代表メンバーが選手にいないにも関わらず、2020年シーズン、2位を獲得した。
コロナ禍にも見舞われ、若手主体の戦いを余儀なくされた裏で、いったい井口監督は何を実行していたのか?
監督就任以来実行してきたコーチングスタッフの引き抜き、球場施設の整備・変更、練習内容の充実、選手の体調管理、フロントへの提言、ドラフトへの要望、若手の育成指導、ミーティングの進め方、試合分析などを完全網羅する。

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