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ダイヤモンド・オフェンスのフリープレー5原則とは!?【ダイヤモンドオフェンス】

Text:坂本圭

フリープレー

ダイヤモンド・オフェンスはフリープレーで行われる。サッカーのプレーは自由であるが、2人以上の選手が参加するスポーツであり、そこには社会的なやりとりが発生し、個々の選手には責任が存在する。そのような社会的なやりとりや責任が存在するサッカーにはプレー規則があり、各チームにはプレー原則やゲームモデルがあることだろう。その中で選手は互いに相互作用をして即興プレーが生み出される。

フリープレーは、基本的に決められた配置や動きのパターンがなく、選手の独自の判断で自由にプレーを展開する。サッカーは、ボール保持者の近くにいる選手が直接的に、遠くにいる選手は間接的にプレーに関与して互いに相互作用するスポーツである。1人の動きが他の選手に影響を与える。なぜならそこに集団スポーツ特有の社会があり、責任が生じるからである。

フリープレーの方法も様々だが、ゾーン3で行われるダイヤモンド・オフェンスは最初の入り方(4つのパスコースオプション)だけを決めておく。最初の「きっかけのアクション」からパスがどこに入り、相手がどのようなリアクションをするかによって、次のプレーを瞬時に選択する。選手は常に2〜3手先、3人目の動きと、その後のプレーまでを予測して動く。

【ダイヤモンド・オフェンスのフリープレー5原則】
●個々の選手の動きにルール設定(ボール保持者の近くにオーバーロードを発生させる)
●2~3人のグループ戦術を共有し、ボール保持者の近くにいる選手と遠くにいる選手を分けて考える。
●戦術の展開を予測するための選手間のコミュニケーション(戦術の意図や優先順位に関する)。非言語による指示(アイコンタクト、ジェスチャー等)も含む。
●ダイヤモンド・オフェンスのスタート方法はWGのきっかけのアクションから、近くの選手がアクションを連続させる、もしくは、WG以外の選手がグループ戦術を先に仕掛ける。
●ダイヤモンド・オフェンスのフリープレーが上手く機能しない場合は、ダイヤモンド・オフェンスの基本的なパターンを用いる、もしくは組み合わせて局面を打開する。

選手はオーバーロードを発生させるために動き、相手がどのようなリアクションをするかによって次のプレーが決まる。ボール保持者から遠い選手も、ボール保持者の近くの選手のアクシ ョンによって空いたスペースを埋め、次に起こるプレーを予測し、いつでもプレーに直接的に関与する準備をする。

フリープレーは一見どのようにプレーしても良いルールなしのプレースタイルのように考えがちだが、人間が2人以上関係していれば、そこに社会的相互作用が起こり、個々の選手に責任感と自由が生まれる。そのように考えると、選手にはプレーをするルールが必要であることが理解できる。

著名人の言葉
「責任感は人間が発揮する特質のひとつだが、それは社会的なやりとりから生まれる。脳がひとつだけでは社会的なやりとりはできない。最低でも二つ以上の脳が関わると、そこには予測のつかないことが起こりはじめ、それまで存在しなかった新しい規則が定まっていく。この規則にしたがって獲得された性質が、責任感であり自由なのである。」
マイケル・S・ガザニガ(心理学者)

出典:『ダイヤモンドオフェンス サッカーの新常識 ポジショナルプレー実践法』著/坂本圭

『ダイヤモンドオフェンス サッカーの新常識 ポジショナルプレー実践法』
著者:坂本圭

日本ではまだ珍しいサッカー攻撃の概念・ポジショナルプレーを取り入れた戦術書!!スペインのプロチームでコーチライセンスを獲得した著者が、サッカーを勉強したい学生や指導者、日本式ではなく世界のトップシーンで導入されている新しいサッカーの攻撃方法を実践したいと思っている方々のために、ポジショナルプレーを実践するための方法としてダイヤモンドオフェンスを伝授します。