いつ相手の背後(視野外)にポジションを取るのか?
チームがボールを保持しているときに、最も近い選手がボール保持者になった瞬間、もしくはボール保持者との距離が遠くてもアイコンタクトを取ることができれば、相手がいないスペース、相手の背後(視野外)にポジションを取ることができる。
通常、相手はボール保持者とマークの両方を視野に入れるが、ボールを蹴る瞬間はどうしてもボール保持者を注視することになり、マークが外れやすい。
最も近い選手にボールが入った瞬間、相手は自身のマークよりもボール保持者を注視するようになる。この隙をついて相手の背後(視野外)にポジションを移動し、位置的優位を獲得する。
このように、ライン上にポジションを取る選手へのパスコースをふさぐと他の選手へのパスコースができ、ライン上を狭くしないと今度はライン上にポジションを取る選手がボールを受けることができる。
ボールを受けるとき半身相手とズレる
ボールを受けた瞬間、相手と半身(もしくはそれ以上)のズレを作ると、その後の1対1が楽になり、それだけで位置的優位を獲得できる。
相手と半身ズレた状態でボールを受けると、相手と半身ズレた方にスペースが少しできるので、パスやシュート、もしくはドリブルでそのスペースに向かうことが可能である。相手は守備の原則に従いボールとゴールを結ぶ線上にポジションを取ろうと動く。そうすると今度は相手が前にいた位置にスペースができ、ボールを受けた選手はその空いたスペースにボールを運ぶことで、コンドゥクシオンのコースとパスやシュートのコースができる。
サッカーの攻撃は、守備と同じように、組織的にプレーを展開することができる。ポジショナルプレーを学ぶことはサッカーのプレーの本質を理解することにつながる。
●半身ズレた状態でボールを受ける
ボール保持者がコンドゥクシオンでライン上を攻めて相手2人を引きつけ、その隙に、その他の選手は相手の背後へ移動し、相手と半身以上のズレを作る(チェックの動き:中央でボールを受ける選手はボックスステップを使う)。
出典:『ダイヤモンドオフェンス サッカーの新常識 ポジショナルプレー実践法』著/坂本圭
『ダイヤモンドオフェンス サッカーの新常識 ポジショナルプレー実践法』
著者:坂本圭
日本ではまだ珍しいサッカー攻撃の概念・ポジショナルプレーを取り入れた戦術書!!スペインのプロチームでコーチライセンスを獲得した著者が、サッカーを勉強したい学生や指導者、日本式ではなく世界のトップシーンで導入されている新しいサッカーの攻撃方法を実践したいと思っている方々のために、ポジショナルプレーを実践するための方法としてダイヤモンドオフェンスを伝授します。
公開日:2021.11.23