体を冷やす6つの原因
なぜ、現代人の体温は下がってしまったのでしょう。健康で長生きするためには、体を冷やさないことが基本。ここでは食事をはじめとする生活習慣など、体を冷やす6つの原因を考えてみましょう。
●筋力の低下
人間の筋肉の70%以上は腰より下に集中しているため、よく歩くことや、スポーツが大切。歩くことが少なくなった現代人は、慢性的な運動不足。それにより筋肉量が少なく、熱を生み出す量も少なくなって当然です。
●ストレスによる血行不良
現代はストレス社会。ストレスがかかると、緊張のホルモンの分泌が高まり、血管が収縮。それにより血行が悪くなり、体温が低下します。しかし脳からの産熱量はかなり多いので、ストレスのないボーッとした状態では脳の血流が悪くなり、産熱量が低下して体温を下げることにもなります。よって、ストレスはほどほどにあったほうがいいと、いえそうです。
●シャワーだけの入浴法
特に夏になると湯船にはつからずに、シャワーだけで入浴を済ませる人が多いことでしょう。実はこれも低体温化の原因のひとつです。湯船に入る入浴は、全身の血行をよくして全臓器・細胞の新陳代謝を促進し、体温を上げてくれます。また、発汗や排尿を増やして、冷えの原因となる体内の余分な水分を排泄してくれるので、一石二鳥です。
●体を冷やす食べ物・食べ方
食べ物選びを誤ることも、体温を下げる原因につながります。栄養学的にタンパク質やビタミンといった栄養素の多さで、食品の価値が判断される現代。一方、漢方医学では食品を、体を温めるもの(陽性食品)と体を冷やすもの(陰性食品)として病気の治療や健康の増進に利用してきました。栄養価だけで判断し、陰性食品ばかりを食べていたら、体を冷やすことになります。
また、食べ過ぎにも原因があります。お腹いっぱい食べると眠くなったり、疲れがどっと出たりします。それは消化のために血液が胃腸に集まり、熱を生む量の多い肝臓や心臓、筋肉に供給される血液が減少するため。その結果、体熱が低下し、さまざまな病気を誘発する原因にもなります。
●基礎代謝の低下
夏は暑さをしのぐため、人間の基礎代謝は低下し、産熱しにくい状態になります。体を冷やす食べ物を多くとり、おまけにクーラーで体を冷やすので、血管は収縮し、血行が悪くなって体温が低下します。
●薬の飲み過ぎ
化学薬品は甲状腺ホルモン剤を除けば、ほとんどが体を冷やすものです。解熱剤はもちろん、鎮痛剤も同様。これらは一時的に効果があっても体を冷やすので、病気を誘発する心配があります。
【書誌情報】
『図解 カラダを温める食べ物』
著者:石原結實 医学博士/イシハラクリニック院長
レシピ/料理:藤沢セリカ
近年、低体温が病気を招く原因となり、体温が上がると不調が改善=健康になるといわれている。医師である著者が、身体を温める30種以上の食材をクローズアップし、食材ごとの成分や効能、また、調理法や切り方・保存法・食べ合せによる最適な摂り方を紹介、解説する。
公開日:2021.07.02