体を温める最強のスター食材
冷えからくる体調不調や病気は、体を温める食べ物で予防・改善されます。ここでは数多い食材の中から、体を温める効果・効能の高い、最強の食材をプロフィールとともに紹介します。その切り方から保存方法、簡単な食べ方まで、ワンポイントレッスンも必見です。
【山いも】滋養強壮&消化促進などマルチな効能
●弱った胃腸をサポートし、消化を促進
山いもは自然に生えることから「自然薯」とも呼ばれ、古くは山に行って自生しているものを掘り出し、食用とされてきました。ジアスターゼ、アミラーゼなどの消化酵素が豊富で、消化を促進し、便通を改善します。また、カリウム、鉄分などのミネラル成分が豊富。さらにビタミン、食物繊維、消化酵素、コリン、サポニン、アルギニンなどの幅広い有効成分を含んでいるので、消化促進から美肌まで、マルチな効能が期待できます。
ぬるぬる成分のムチンは、高い保水性と強い粘性を持ち、胃を胃酸から守り、粘膜を保護修復してくれるので、暴飲暴食や刺激物の摂取などで働きが低下した胃腸機能を助け、消化促進、栄養の吸収を高めてくれます。
【Point】ムチン効果は粘膜に効く!
粘膜を強くして細菌感染を防ぎ、ドライアイにも効果アリ
保存方法
●使いかけはぴったりラップで変色防止
カットしていないものは、そのまま紙で包んで冷暗所で保存すれば1か月ほど持ちます。使いかけ(皮が付いているもの)はラップで包み、冷蔵庫で保存。細かくカットしたものは密封袋に入れて冷蔵庫か冷凍庫で保存します。すりおろしは、なるべく食べ切ることがおすすめ。余ってしまったら密封袋に入れて冷凍します。1か月冷凍保存が可能。
おすすめの切り方&調理方法
●手がかゆくなるので注意しましょう
粘りを利用した、生のままのすりおろしたとろろが代表的。山いものムチンは熱に弱く、加熱すると成分が失われ、粘りもなくなってしまうので生食がおすすめです。食感を楽しむなら千切り、さいの目切り。また、山いもに含まれるシュウ酸カルシウムが手に着くとかゆみを生むので、調理をするとき、手袋をするなど、素手で触らないように注意しましょう。
・千切り/和え物など
・すりおろし/とろろなど
・さいの目切り/サラダなど
おすすめの食べ合わせ
●山いも+海苔
ミネラルをプラスして美肌効果に期待。
●山いも+鶏肉
タンパク質を効率よく消化するムチンはたんぱく質と一緒に。
山いもメニュー例
とろろ、いくらと山いものおひたし、山いもの卵黄サラダ、オクラとなめこ、山いもの和え物、山いもとアボカドのサラダ、ささみと山いもの明太和え、山かけそばなど。
【書誌情報】
『図解 カラダを温める食べ物』
著者:石原結實 医学博士/イシハラクリニック院長
レシピ/料理:藤沢セリカ
近年、低体温が病気を招く原因となり、体温が上がると不調が改善=健康になるといわれている。医師である著者が、身体を温める30種以上の食材をクローズアップし、食材ごとの成分や効能、また、調理法や切り方・保存法・食べ合せによる最適な摂り方を紹介、解説する。
公開日:2021.07.09