体を温める最強のスター食材
冷えからくる体調不調や病気は、体を温める食べ物で予防・改善されます。ここでは数多い食材の中から、体を温める効果・効能の高い、最強の食材をプロフィールとともに紹介します。その切り方から保存方法、簡単な食べ方まで、ワンポイントレッスンも必見です。
【にら】血液を浄化し、体を温めて不調に効く
●肩こりやめまい、耳鳴りにも効果が期待
独特のにおいを放つにらは、体を温めて胃腸の働きをよくし、強壮、強精作用があります。その主役となる成分が硫化アリル。ビタミンB1の吸収率を高めるので、豚肉やレバーなどと一緒に摂ると、疲労回復に効果的です。
また、にらには特有の働きとして、汚れたドロドロの血液を浄化して循環をよくし、血液をサラサラにする作用があります。つまり、血液の汚れから生ずる肩こりや頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、生理不順、生理痛、吐血、喀血、下血、鼻血などを改善する作用があるのです。葉先に含まれるビタミンA、C、Eには抗酸化作用があり、動脈硬化やがん予防にも効果的。さらに肌荒れ防止効果や老化抑制効果なども期待できます。
【Point】葉酸で貧血を改善、でも…
貧血に効く赤血球のヘモグロビンを作る葉酸は喫煙で低下するので、喫煙者はご注意を。
保存方法
●切ったら食べるきるか、冷凍する
根元部分に濡れたキッチンペーパーをあて、全体を紙で包み、ビニール袋に入れて野菜室などで3~4日保存可能。このとき、葉を折らないように注意!折れたところから傷みやすく、ビタミンも失われるので、ていねいに扱うようにしましょう。切ったものは水気をよく切り、密封袋などに入れて2週間冷凍保存可能。使用するときは解凍せずにそのまま調理します。
おすすめの切り方&調理方法
●根はみじん切り、葉先はざく切り
葉先にはかぜ予防やアンチエイジング効果のあるビタミンが豊富なので、ざく切りにして生食がベスト。根元は血液サラサラ成分のアリシンを多く含むため、細かくみじん切りにすると効果が倍増。ただし、切ってそのまま置いておくと栄養が失われるので、調理する10分前に切りましょう。そしてなるべく早く食べることをおすすめします。
・ざく切り/サラダなど
・みじん切り/餃子など
おすすめの食べ合わせ
●にら+豚肉
ビタミンB1 の吸収率を高め、疲労回復効果は抜群。
●にら+木綿豆腐
ビタミンとイソフラボンの相乗効果で風邪予防。
にらメニュー例
にらレバー炒め、豚にらもやし炒め、にらの卵とじ、チヂミ、餃子、にらまんじゅう、キャベツとにらのスープ、チャプチェ、焼きそば、おひたし、鍋など。
【書誌情報】
『図解 カラダを温める食べ物』
著者:石原結實 医学博士/イシハラクリニック院長
レシピ/料理:藤沢セリカ
近年、低体温が病気を招く原因となり、体温が上がると不調が改善=健康になるといわれている。医師である著者が、身体を温める30種以上の食材をクローズアップし、食材ごとの成分や効能、また、調理法や切り方・保存法・食べ合せによる最適な摂り方を紹介、解説する。
公開日:2021.07.13