体を温めるアイドル食材
身近な、いつも食べているものにも、体を温める食材はいっぱいあります。なにげなく口にしてはいたけど、もっと効果を感じたい、合理的に食べたい、と思いませんか? 切り方や調理方法で栄養価が変わるので、これを参考にしてぜひ、実践してみましょう。
【かぼちゃ】脳卒中、かぜ予防などに効果のある冬の野菜
●活性酸素の除去でがん予防にも
冬季のビタミンAの補給源として昔から食べられてきたかぼちゃ。甘味のある果肉に含まれるビタミンAは、血管壁や皮膚・粘膜を強化し、皮膚の美容、動脈硬化やとり目、眼球疲労、かぜや肺炎などの感染症の予防、改善に効果的。「ワタ」の部分はβカロテン含有量がなんと果肉の約5倍。捨てるにはもったいない栄養素の宝庫。リノール酸が豊富な種は取り出し、オーブンなどで乾燥させておつまみにして食べれば、動脈硬化の予防にもなります。ワタは煮物やスープなどに入れて食べることをおすすめします。
かぼちゃのビタミンE含有量は野菜のなかではトップクラスで、βカロテン同様に、がんをはじめとする万病の原因と言われる活性酸素を除去する作用に優れています。
【Point】漢方ではおなじみの種
コレステロール値を抑えるリノール酸やミネラルをたっぷり含む種はぜひ食べて!
保存方法
●長く冷蔵庫に入れておくと傷む原因に
丸ごとならそのまま冷暗所に置きます。半分に切った場合は切り口にぴったりラップし、その上から全体を包んで野菜室で保存。小分けの場合は密封袋に入れて冷蔵庫で保存します。切っている場合はどちらも2 ~ 3日で使い切るように。冷凍する場合は加熱してつぶした状態がベスト。冷凍なら1か月保存可能です。
おすすめの切り方&調理方法
●種とワタは食べるべし!
丸ごと購入した場合、まずは縦半分に切りますが、かぼちゃは硬いのでけがをしないように要注意!切りやすくするためには、電子レンジで5~6分ほど加熱します。カットしたらワタと種を取り、用途に合わせたサイズに切ります。ワタと種はそれぞれに分け、種はロースト、ワタは果肉と一緒に煮たり、蒸したりしましょう。
・乱切り/煮物など
・スライス/てんぷらなど
おすすめの食べ合わせ
●かぼちゃ+アズキ
腎臓病の予防や、むくみの解消などに効果あり。
●かぼちゃ+牛肉
胃腸を丈夫にして、体力を増強する。
かぼちゃメニュー例
かぼちゃのポタージュ、かぼちゃとりんごのサラダ、かぼちゃのコロッケ、グラタン、ひき肉のあんかけ、かぼちゃとアズキの煮物、茶巾絞り、かぼちゃのニョッキなど。
【書誌情報】
『図解 カラダを温める食べ物』
著者:石原結實 医学博士/イシハラクリニック院長
レシピ/料理:藤沢セリカ
近年、低体温が病気を招く原因となり、体温が上がると不調が改善=健康になるといわれている。医師である著者が、身体を温める30種以上の食材をクローズアップし、食材ごとの成分や効能、また、調理法や切り方・保存法・食べ合せによる最適な摂り方を紹介、解説する。
公開日:2021.07.18