手の爪はよく使う指ほど速く伸びる
爪は、皮膚(表皮)の角質(かくしつ)がかたくなってできたもので、指先や皮膚を保護することや、小さな物をつかみやすくするなど、細かい作業を可能にする役割を持っています。
爪は「爪母(そうぼ)」とよばれる部分でつくられ、新しくできた部分が押し出されるようにして伸びていきます。伸びる速さは指によって違い、人差し指、中指、薬指の爪が、親指や小指よりも速く伸びるといわれています。伸びる速度は、成人の手の爪で1日に平均 0.1ミリメートル前後。夜よりも昼、冬よりも夏のほうが伸びる速度が速く、足の爪は手の爪よりも伸びる速度が遅いといわれています。
爪も皮膚の仲間、異常を生じることも
爪も皮膚の一部なので、ときどき異常が起こることがあります。また、爪の形には老化や体の状態が表れます。たとえば、ギザギザと縦線が入ったような模様が見えたら、それは老化のサイン。年をとると、爪母のなかでも爪の細胞をつくる速さが場所ごとに異なってくるため、このような縦線が表れるのです。
爪に白い点が出ても、病気ではないので心配はいりません。これは爪がつくられるときに何らかの刺激を受けたり、爪のなかに空気が入ったりすることでできたもの。爪が伸びるにつれ上に移動し、なくなります。
爪に横線が入るのは不規則な生活やストレスが原因です。また、爪が盛り上がる「ばち指」は肺や心臓、肝臓などの病気が原因で起こります。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
著:坂井建雄 日本文芸社刊
執筆者プロフィール
順天堂大学保健医療学部特任教授、日本医史学会理事長。1953 年、大阪府生まれ。1978 年、東京大学医学部卒業後、ドイツのハイデルベルグ大学に留学。帰国後、東京大学医学部助教授、順天堂大学医学部教授を歴任。医学博士。専門は解剖学、細胞生物学、医学史。専門書だけでなく一般向け書籍まで、著書、監修書を多数刊行。近著書は、『医学全史』(ちくま新書)、『図説医学の歴史』(医学書院)など。
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公開日:2021.12.08