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正座をすると足がしびれるのは、なぜ?【解剖学の話】

Text:坂井建雄

ピリピリした感覚は感覚神経の回復

正座をしたときに、足がしびれてしまったという経験は、誰でもあることでしょう。

足のしびれは、一時的に起こる血行障害によるものです。足には筋肉を動かす運動神経と、熱さや痛さなどを感じる感覚神経の2つの神経が通っています。

正座をすると、体重の重みが足にかかることによって、血管が圧迫され、血流が悪くなって、一時的に足の神経が麻痺(まひ)した状態になります。運動神経が麻痺すると、足首を曲げられなくなり、立ち上がることができなくなります。感覚神経も鈍るため、足をつねっても何も感じなくなります。

しかし、これは一時的なもので、立ったり、姿勢を変えたりすると足の血流が戻り、感覚神経も回復します。このときに生じるピリピリした感覚が、しびれの正体です。

動脈は必要に応じて形を変えられる

正座に慣れてくると、足の血管が圧迫されているのに、しびれにくくなります。これは、足に必要な血流が確保されているためです。

動脈には、必要に応じて太くなったり、細くなったりする性質が備わっています。お坊さんなど習慣的に正座をする人の場合は、圧迫される太い動脈の代わりにそこから枝分かれしている細い動脈が発達し、血流が確保できるよう太くなります。すると、長い時間正座をしても、足の神経に必要な血液が届くので、しびれにくくなるというわけです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
著:坂井建雄 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
順天堂大学保健医療学部特任教授、日本医史学会理事長。1953 年、大阪府生まれ。1978 年、東京大学医学部卒業後、ドイツのハイデルベルグ大学に留学。帰国後、東京大学医学部助教授、順天堂大学医学部教授を歴任。医学博士。専門は解剖学、細胞生物学、医学史。専門書だけでなく一般向け書籍まで、著書、監修書を多数刊行。近著書は、『医学全史』(ちくま新書)、『図説医学の歴史』(医学書院)など。

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