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リンパ液には、どんな役割があるの?【解剖学の話】

Text:坂井建雄

全身に張り巡らされた老廃物を流す「水道」

リンパ管はリンパ液の通り道で、血管に沿って体中に張り巡らされています。「リンパ」はもともとラテン語で「清水の流れ」を意味し、日本では『解体新書』にはじめて登場。当時は「水道」と訳されました。

リンパ管を流れるのは、淡い黄色のリンパ液です。リンパ液は、毛細血管からしみ出した血漿(けっしょう)がリンパ管に入ったもので、細胞から排出された老廃物や、腸で吸収された脂肪を運ぶ役目を果たしています。

リンパ管の途中には、リンパ節と呼ばれるソラマメ大の器官があります。リンパ節は首や脇の下、足のつけ根など、ヒトの体内に約800個存在し、リンパ液中の細菌やウイルスなどの異物を濾(こ)し取るはたらきをしています。リンパ節のなかにはマクロファージという免疫細胞が待ち構えていて、その異物と戦っています。

むくみの正体はリンパ液の漏れ

リンパはむくみが発生するメカニズムにも関わっています。血液は本来、心臓から送り出され、心臓に戻っていきますが、長時間立ちっぱなしでいると、筋肉の力で静脈血を押し上げることができなくなり、足などの末端から心臓に戻っていける血液の量が減少してしまいます。

すると、毛細血管に大きな圧力がかかり、戻れなかった血液が毛細血管から漏れてリンパ液としてたまります。これが、むくみの正体です。

むくみの症状が出ても、足を動かしたり、歩いたりすることでリンパ液は回収され、むくみは解消されます。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
著:坂井建雄 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
順天堂大学保健医療学部特任教授、日本医史学会理事長。1953 年、大阪府生まれ。1978 年、東京大学医学部卒業後、ドイツのハイデルベルグ大学に留学。帰国後、東京大学医学部助教授、順天堂大学医学部教授を歴任。医学博士。専門は解剖学、細胞生物学、医学史。専門書だけでなく一般向け書籍まで、著書、監修書を多数刊行。近著書は、『医学全史』(ちくま新書)、『図説医学の歴史』(医学書院)など。

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