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なぜ、膵臓は五臓六腑に入らないの?【解剖学の話】

Text:坂井建雄

見つかりにくくて忘れられた膵臓

おいしい料理や、酒を味わい、生き返ったような気持ちになったとき、「五臓六腑(ごぞうろっぷ)にしみわたる」と言ったりします。この言葉は中国伝統医学からきているもので、五臓とは肝臓(かんぞう)、心臓、脾臓(ひぞう)、肺、腎臓(じんぞう)のこと。そして、六腑とは、大腸、小腸、胆嚢(たんのう)、胃、膀胱(ぼうこう)、三焦(さんしょう)(実体不明)を指しています。現代医学では、臓器として「膵臓(すいぞう)」があり、六臓ということになりますが、なぜ、膵臓は五臓六腑に含まれなかったのでしょうか。

膵臓は、胃の後ろ側の体の奥まったところ、胃と背骨の間に挟まれるように位置するため、古くはその存在を知られていなかったとされています。こうしたこともあり、「忘れられた臓器」と呼ばれてしまうこともあるのです。

消化と血糖値コントロールの重要な機能を持つ

五臓六腑からは外れてしまった膵臓ですが、2つの大事な役割があります。1つは、デンプンやタンパク質、脂肪などの物質の消化を助ける消化酵素(こうそ)を含んだ膵液(すいえき)をつくり、小腸へ分泌すること。そして、もう1つは血中のブドウ糖値である血糖値をコントロールすることです。

膵臓にあるランゲルハンス島という器官の細胞からは、糖代謝に必要なインスリンやグルカゴンなどのホルモンが分泌されています。膵臓からインスリンが分泌されると、そのはたらきによってブドウ糖がエネルギーとして利用されます。一方のグルカゴンは、血糖値が下がったときに働いて、血糖値を上昇させます。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 解剖学の話』
著:坂井建雄 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
順天堂大学保健医療学部特任教授、日本医史学会理事長。1953年、大阪府生まれ。1978 年、東京大学医学部卒業後、ドイツのハイデルベルグ大学に留学。帰国後、東京大学医学部助教授、順天堂大学医学部教授を歴任。医学博士。専門は解剖学、細胞生物学、医学史。専門書だけでなく一般向け書籍まで、著書、監修書を多数刊行。近著書は、『医学全史』(ちくま新書)、『図説医学の歴史』(医学書院)など。

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