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元オリンピック&日本代表コーチ/田中信弥が見つけた今までにないほど簡単にボールをうまく打てる方法とは!?【新装版 勝てる!理系なテニス】

華麗な打ち方に変身する新たな方法

●田中信弥/元オリンピック&日本代表コーチ

「運動連鎖」という理論がありますよね。あまり専門的になると理解が難しくなるので、テニスの世界におけるひとつの共通認識でお話しすると、「ひとつの関節の動きが、隣接する次の関節によどみなくつながる」ということになります。言い換えれば、華麗な連続動作を生み出すのが運動連鎖と言えるわけです。

ここからが問題で、「運動連鎖ができるのは、世界トップ選手など、ごく一部の人間」ということです。もちろん、できる人がいるからこそ理論が生まれたのであり、そこに異論を挟む余地はないのですが、教えられた人からすれば、できるか、できないか、が問題であり、できなければ「絵に描いた餅」的なアドバイスとなってしまうわけです。

そして、お恥ずかしい話ですが、私自身が絵に描いた餅。つまり、まったく運動連鎖がうまくできなかったのです。えぇ、華麗な連続動作、洗練された滑らかな動きは、どれだけ理論を知っても、どれだけ練習してもできなかったのです。まぁ、プロテニスプレーヤーとしては、落ちこぼれ中の落ちこぼれだったわけです。

そのため、「運動連鎖がうまくいかないなら、ほかの上達方法をどうにか見つけ出さなければうまくなりようがない……」と、焦る気持ちが強くなりました。そこでたどり着いたひとつの手法が、“身体の動きを止める”という、運動連鎖とは真逆の発想でした。

普通、「動きは滑らかに連続動作で行ないましょう」と指導されます。「世界トップ選手がやっているのだから」と、運動連鎖を推す事例も多くあります。でも、私は逆。「世界トップ選手のような滑らかな連続動作ができれば理想的。でも、初めから実現するのは難しい。少なくとも、プロである私もできない。なら、初めは連続動作を目指さない。止められる限り、身体は止める。結果、大きなパワーを持つ体軸が止まれば、ダイナミックでなくても、華麗で洗練されていなくても、最低限きれいなフォームで安定したショットが打てる」と考えたのです。

これが正解でした。動きを止めれば止めるほど、うまく打てる自分が出現したのです。そして、指導するウィークエンドプレーヤーにも導入したら、大当たり。今までにないほど簡単に、ボールをうまく打てる方をたくさん生み出すことができたのです。

世界トップ選手が行なう運動連鎖に行きつくまでの一里塚。それが「身体を止める」という手法だったのです。考えれば当たり前のことだったのですが、錦織圭選手のような才能を持たない人が、ステップバイステップなしで、いきなり世界トップ選手が見せる滑らかな打ち方など体現できるはずなどなかったのです。

『新装版 勝てる!理系なテニス 物理で証明する9割のプレイヤーが間違えている〝その常識〟!』
著者:元オリンピック&日本代表コーチ 田中信弥
理論物理学者 松尾衛

元オリンピック&日本代表テニスコーチと気鋭の物理学者による常識を覆すテニス理論、指南書。5万人超のウィークエンドプレーヤーが納得した現場理論を、理論物理学で証明した、すべてのプレーヤーのテニスを躍進させる書。「サービズは上から下に打つのは間違い」「テニスは不等式でできている」「身体は動かさずに打つ」など、常識破り、型破りな指導法で結果を出し続ける田中コーチの独自のテニス理論を、理学博士の松尾氏が自ら体験で得たプレーを「物理屋」の観点で解説・証明する―――まったく新しいテニスの本! 

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