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昨日と今日のスイングが変わるのは、覚え方に問題がある!?【キープレフト理論 実戦強化編/和田泰朗】

Text:和田泰朗

スイングは「手続き記憶」に落とし込む

スイングで不可欠とされるのが再現性です。もちろんキープレフトでも同様。二重振り子に比べればはるかにシンプルなスイングだとは思いますが、再現性を保つにはちょっとした工夫が必要ですのでお伝えしておきましょう。

人間の記憶方法には、「陳述的記憶」と「手続き記憶」の2種類があります。

「陳述的記憶」は脳の海馬という部分によって記憶され、おもに名称、時制、関連性などを記憶します。「陳述的記憶」でスイングを習得するとすれば、アドレスはこう構えて、バックスイングはここに上げて、頭の位置はここで、といったように、各パーツのポイントを箇条書き的に羅列し、順に読み上げながら覚えるような記憶方法になります。

 

一方の「手続き記憶」は大脳基底核という部分によって記憶され、おもに運動を記憶します。我々は箸を使いますが、1ヵ月海外で箸を使わない生活を送ったあとでも、不具合を感じず普通に使えます。幼少期に自転車に乗れるようになっていれば、しばらく乗らなくても乗れます。これらは「手続き記憶」によっているからです。

「昨日はああだったのに今日はこう」というように、好不調の波が激しいのは「陳述的記憶」に委ねてスキルを習得しているから。「スライスしたから何かを変えた。そうしたらフックしたからまた変えてみた」ではダメです。つまり、スイングは「手続き記憶」に落とし込むべきもの。箇条書きにした、たくさんの項目をインプットしたところで何の意味もありません。

上達とは、考えなくてもできるようになることで、この領域に到達するには反復練習しかありません。同じミスが100球続いたらスイングを疑ってもいいですが、スライスもフックもストレートも出るなら、それは微妙な差しかありません。メソッドを入れ替えたところで違いはない。同じように打っていれば安定しますから、スライスしようがフックしようが意識するところは変えないことが大事です。

ただし、「手続き記憶」といえども、ハイレベルな技術は簡単に記憶できません。ゆえに、メソッドはシンプルであるべき。考えすぎ、工夫しすぎの練習は定着しません。斜めの棒を斜めに振るだけの発想で疑いなく練習すれば大脳基底核に収まります。

キープレフト・スイングは、ヘッドが最下点に達しても減速しない。

だから、回転スピードの速さがヘッドスピードに反映される

出典:『世界が認めた究極のシンプルスイング キープレフト理論』著/和田泰朗

【書誌情報】
『究極のシンプルスイング キープレフト理論 実戦強化編』
著者:和田泰朗

ゴルフスイングは一般的に「振り子運動」ととらえられている。本書のスイング論である「キープレフト理論」は、クラブを体の左サイドにキープして振る考え方。クラブのグリップエンドからシャフトがもっと長くのびていて、それが体の左サイドにずっとあるように振るイメージで、スイングを「吊り子運動」を考えている。振り子運動に比べリストコックやアームローテーションへの意識は不要で、スイングの動きがシンプル、再現性が高いスイングといえる。スイングに不安を持つアマチュアゴルファーに、ぜひすすめたい。本書は、2019年に刊行した『究極のシンプルスイング キープレフト理論』に続く著書。前作のテーマ「スイング作り」を、今回は「スコア作り」に変え、「キープレフト理論」を駆使したラウンド実戦法写真を多用してわかりやすく解説する。この理論の考案者・和田泰朗プロは、世界的ティーチングプロ団体WGTF(World Golf Teachers Federation)の一人で、会員の1%しかいない「マスター」の資格を取得。さらにこの理論が認められて2019年、WGTFのティーチングプロ・トップ100に選ばれている。また、2020年には女子プロのトーナメントを運営するなど、その活動が注目されている。