馬柱の見方
「馬柱」は競馬新聞の出馬表にある、1頭の馬についての縦一列の表記です。競馬新聞を開いた時、競馬初心者がまず感じるのは、「何だ、この数字に記号は…。わけわからん」確かに(笑)。でも、1コマがわかれば、縦一列が。縦一列がわかれば、横にダーッと、すべてが理解出来るのです。まずは、その馬柱に何が書いてあるのか。上から順に見ていきたいと思います。「ここにはこういうことが書いてあるんだ」ということだけ、把握しておいて下さい。
●1頭の馬柱にはこれだけの情報が
1.〔枠〕9頭以上出走した際、8つの枠に分けます。
2.〔馬番〕それぞれに与えられた馬固有の番号。
3.〔馬名〕カタカナ2~9文字で。
4.〔父〕馬名の右側に。
5.〔母〕馬名の左側に。
6.〔母の父〕カッコの中に。血統は重要です。
7.〔性別・年齢〕牡、牝、センとあり、セン馬は去勢を施された馬のこと。成長の早い馬は2歳の6月にデビュー。早熟な馬もいれば、大器晩成な馬などいろいろとありますが、一般に“サラブレッドは4歳の秋に完成する”と言われます。
8.〔毛色〕栗毛(くりげ)、栃栗毛(とちくりげ)、鹿毛(かげ)、黒鹿毛(くろかげ)、青鹿毛(あおかげ)、青毛(あおげ)、芦毛(あしげ)、白毛(しろげ)の全8色。
9.〔斤量〕競走馬が背負わなければならない重量。騎手の体重、プロテクター、鞍の重さなどが含まれます。「負担重量」とも言います。
10.〔ジョッキー〕騎手名。前走時から、別の騎手に乗り替わった時には、名前の横に“替”の文字が付きます。
11.〔騎乗実績〕この騎手がこの馬に騎乗した時の成績。数字が4つ、横に並んでいる時は、左から1着、2着、3着、4着以下の回数です。
12.〔クラス・賞金〕所属するクラスと、クラス分けのための賞金。
13.〔総賞金〕この馬がこれまでに稼いだ賞金。
14.〔調教師・所属〕調教師名と、東西の別。美浦は南北に所属が分かれていて、南、北とあれば関東、栗とあれば関西。
15.〔記者の予想欄〕◎○▲など、全体を見れば、そのレースの人気の分布が把握できます。
16.〔馬主〕オーナーの名前。
17.〔生産牧場〕繁殖牝馬(母馬)を持ち、この馬を生産した牧場または人名。
18.〔最高時計・着順〕この馬が、その条件を走った時の、最も速いタイムと着順。“持ち時計”とも言います。
19.〔兄弟〕サラブレッドは、母が同じ時に兄弟姉妹と言い、父も同じだと“全”、異なると“半”の字を付け、全兄と全妹のように使います。
20.〔成績欄〕近何走かの成績が細かく書かれています。
21.〔脚質別連対数〕連対とは2着までに入ること。逃げ、先行、差し、追い込み、どんな戦法で2着までに入ったかの数。
22.〔出走間隔成績〕いわゆる“ローテーション”。今回は前走からどれぐらい間が空いていて、その時の成績はどうかを記載。
23.〔重賞成績〕重賞に出走した際の成績。
24.〔コース別勝利度数〕右回り、左回り、個別のコースでの成績。この新聞では、重賞レースは1~5着、6着以下の回数で表記。
25.〔重巧拙〕芝またはダートコースの、馬場が渋って悪化した際の成績。
縦1列の「馬柱」には、これらのことが記載されているのです。この後、〔成績欄〕の中を細かく見ていきますので、それを読むと、「馬柱」の項目がより理解出来るはずです。
【書誌情報】
『究極の競馬ガイドブック 自分で“勝ち馬”を探せるようになる』
著者:長谷川雄啓 JRAビギナーズセミナー講師
競馬場などで行われている競馬初心者施策でビギナーセミナーの講師を務めている長谷川雄啓氏。そこで競馬初心者の人々と触れ合うことで「初心者の人が馬券を買うまでに知りたいポイント」を体得してきました。これまでの教本だと、まるで家電の説明書のように、“抜け”があったらマズいと、それはそれは細かく、ビギナーには不要な細かい情報まで書いていました。この本では、そういった内容を極力省きます。ポイントを押さえれば、細かいことは自然と覚えていくので、まずは開いた“競馬の扉”を閉じさせないよう、自力で予想を楽しめるよう導いてあげるのを目的とした本です。
公開日:2020.08.15