長く活躍するも安楽死となった障害競走の名馬
宝塚記念の前日に、東京競馬場でジャンプ重賞「東京ジャンプステークス」が行われる。
ジャンプ競走は年に2回しか、J・G1レースがない。
そのため、この時期のジャンプ重賞は先のJ・G1レースを見据えて、オープンに上がったばかりの馬が、試金石として出走してくることが多い。
今年も、ジャンプオープン馬になったばかりの3頭をはじめ、ジャンプ重賞で好走しているトラスト、ジャンプオープン競走2連勝中のケイティクレバーなどが、暮れの中山大障害を目指して出走登録をしている。
だが、このジャンプ競走を含め競馬には、常に危険がつきまとう。今回は東京ジャンプステークスを勝った悲劇の名ジャンパーを紹介する。
2年連続最優秀障害馬に輝く
2011年勝馬「マジェスティバイオ」
11年、12年の最優秀障害馬。
障害レースに転向後は3戦目で勝利し、続く初重賞の東京ジャンプステークスを勝利。さらに秋の東京ハイジャンプ(J・G2)も制し、迎えたJ.G1初挑戦レースの中山大障害(J・G1)勝ちで、名ジャンパーの仲間入りを果たす。
これは管理する田中剛調教師と、鞍上の山本康志騎手のJ・G1初勝利。田中調教師は騎手時代に4度も中山大障害を勝っており、史上7人目の騎手・調教師で制覇となった。
2012年12月の中山大障害を最後に、長期休養に入る。
だが、約1年後のイルミネーションJSに出走するも最終障害で転倒してしまい落馬競走中止。その時に右前浅屈腱断裂と診断されてしまったため、安楽死の処置が取られた。
2013年勝馬「アポロマーベリック」
13年、14年の最優秀障害馬。
13年にジャンプ競走での初勝利を挙げると、重賞初挑戦の東京ジャンプステークスに勝ち、重賞初勝利。また鞍上の草野太郎騎手にとっても重賞初勝利となった。
その年の中山大障害(J・G1)で初J・G1に出走し、勝利を挙げJ.G1馬となる。
これは鞍上の五十嵐雄祐騎手にとっても、初J・G1での勝利。
その後、翌年春の中山グランドJ(J・G1)も勝ち、長らくジャンプ競走に出走していたが、2015年の中山大障害(J.G1)で悲劇が起こる。
2周目障害において左第3中手骨開放骨折を発症し競走中止。回復の見込みがないとして安楽死の処置が取られた。
今は亡き名ジャンパーの初重賞勝利レース「東京ジャンプステークス」を勝って、出世の足掛かりにする馬はどの馬か1?
発走は、6月27日 東京競馬場8レース 14時発走予定。
公開日:2020.06.27