「無理をしない」は正しいのか
病院に行ったときに、医師から「無理しないように」などと言われることがあります。もちろん、病状が落ち着くまでは安静にするべきですが、いつまでもそれを言い訳にしていませんか? 「歳なんだから無理しない」と、これからは、言わないようにしませんか。日常生活で体を甘やかしていると、体はどんどん退化していきます。肺活量をアップさせるには、むしろ、1日に1回は、息切れするくらいの運動をしてください。すると、肺が酸素を取り込む力が鍛えられ、同じことを楽にこなせるようになります。
楽しみながら肺活量をアップするには
これから始めて、楽しみながら肺活量をアップするには、管楽器がおすすめです。1回で息をパーッと吐き切るような行為を繰り返しおこなうと、肺活量はかなり鍛えられます。学生時代、吹奏楽部の人たちがよく走り込んでいましたが、あれは、肺活量をアップするためだったのですね。歌も同様です。肺活量が上がるほど、息が長く続くようになりますので、こちらもおすすめです。そして、もっと気軽に肺活量を上げるには、本書で紹介する肺活メソッドをぜひ続けてやってみてください。
30代でも体の硬い人が増えている
私はスクールやストレッチ教室でさまざまな人に運動を指導していますが、最近は特に、「体が硬い人が多い」と感じています。例えば、両手を上げて頭上で手を組む、というようなちょっとした動作でも、「つらい!」「腕がまっすぐに伸ばせない」「肩が上がらない」という声が聞こえてくるのです。特に、30代の若い人でも、体が硬い人がかなり多いことに驚いています。やはり、 年齢に関係なく、現代の便利な生活習慣が体を退化させるのだと思います。体が硬いということは、筋肉が凝り固まっているということです。血管の周りに硬いレンガが積まれているような状態で、血管が常に圧迫されています。これでは酸素もなかなか流れていきません。一方、正常な血流の人は柔軟な筋肉があり、血管もしなやかです。よく「血管が老化する」と言いますが、年齢のせいではなく、筋肉の質の悪さが血管にも影響を与えているのです。その結果、血中酸素量も少なくなります。
【書誌情報】
『肥満がいやなら 肺を鍛えなさい』
著:加藤雅俊 (薬剤師、体内環境師、薬学予防医療家)
肺の主な役割は「呼吸」と「血液循環」。酸素を含んだ血液を体内に循環させているが、十分に機能しないと不調を招く。
本書では、肺を鍛える方法として「肺ストレッチ」を提案。肺と血液の関係を説明しながら、その方法を紹介する。
公開日:2020.03.18