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パッティングは“家練”で上手くなる!その理由とは?

Text:松本哲也

パッティングは“家練”で上手くなる

ゴルフは、技術と感性が融合したスポーツゲームです。ゴルフにおける技術とは、すべてのクラブでボールを芯でとらえ、効率良く 真っすぐ飛ばす(打ち放つ)ということ。これに対して、ゴルフにおける感性とは、ボールの置かれているライ(ボールが止まっている場所の傾斜や芝の長さなど)や、放ったボールが空中で受けるであろう風の影響など様々なことを考慮しながら、無条件下(練習場のように平らで、無風に近い日の場合)より、距離がどう変化するのか、放ったボールがどのくらい曲がるものなのかを予想したり対処したりする感覚的調整力を意味します。

さて、ゴルフはラウンドする際、ドライバーからパターまで14本をキャディバッグに入れてプレーをすることができますが、ショットをカテゴリーで考えると、パッティング、アプローチショット、バンカーショット、フルショット、(アイアン・ユーティリティー・フェアウェイウッドの)そしてドライバーショッ トの5つのカテゴリーから成り立ちます。この5つのカテゴリーが、技術と感性 でどう絡み合っているかを考えると、「表A」のようになります。

技術的には、アプローチショットからドライバーまでは関係性が高く、特にアプローチショットは他の3つに大きな影響を与えると考えられますが、【パッティングの技術は、他の4つとは一線を画すと言えます。ですから、練習場で様々なクラブを練習することと平行してパッティングの技術を別に磨く必要があるのです(理由1)】。

一方、感性に関しては、すべてのカテゴリーで距離感と曲がり具合をイメージしたり、マネジメントをする必要があるのですが、その原点がパッティングであると言えるでしょう。

アプローチからドライバーまでのショットの場合、放ったボールの距離感がイメージと違っていたり、曲がり具合が予想と大きく外れたとしても、それが外的要因によるものなのか、自分のミスなのかがハッキリとしません。特に、風の計算は曖昧で、風がいつも同じ方向に一定の強さで吹いているわけではないからです。

それに対して、【パッティングでは、風が強い日以外は、打ったボールがどう転がるかは、グリーンの起伏によって決まり、打ったあとに起伏が変化することはないので、予想をしたり予想を実証したりすることが最もやさしいカテゴリーであると言えます。ですから、パッティングで距離感や曲がりを予想する感性を養い、ゲーム感を磨くことを楽しめなければ、すべてのカテゴリーの感性が育ちにくくなってしまうと言えます(理由2)】。

そして、ある程度はゴルフゲームを理解している人なら誰でも知っている、「ラウンド中に最も使う頻度が高いクラブはパターであるという普遍的事実(理由3)」。

これら3つの大きな理由から、ゴルフゲームをもっと楽しみ、上達やスコアを縮めることを望むなら、パッティングについて興味を持ち、練習することが不可欠だと言い切れます。にもかかわらず、「上達したい」、「ベストスコアを更新したい」というアマチュアゴルファーでも、パッティングの練習を軽んじてしまっているのはなぜでしょうか?

その要因は、ズバリ次の3つです。①ショットの練習のように、運動して汗をかくといったスポーツ感(爽快感)が感じられない。②パッティング練習といっても、パターマットを買ってきて練習をするくらいしか思いつかない。③パッティングの練習はつまらなくてすぐに飽きる。また、たとえやったとしてもコースで成果が感じられない。さらに、アベレージ(中級者)からは、こんな声も聞こえてきます。 「パッティングは、コースに出て経験を積むしかないよ」。確かに、そういう部分もあります。私自身、経験値が上がるほどにパッティ ングの腕前が上がった人を何人も見てきました。

しかし、パッティングにおいて、“経験”が占める割合は、実はたったの2割しかありません。残りの8割の部分は、コースに行かなくても磨けるのです。いや、それどころか、「8割の練習なくして、コースの2割は学べない」といっても過言ではないでしょう。基本的な技術が身についていなければ、足繁くゴルフ場に通っても、経験の積み重ねにはならないということです。

【書誌情報】
『とことん上手くなる! パッティング家練メソッド』
著者:松本哲也

「キープレフト理論」とは、クラブを体の左サイドにキープして振るということ。クラブのグリップエンドからシャフトがもっと長くのびていて、それが体の左サイドにずっとあるように振るイメージだ。ゴルフスイングは一般的に「振り子運動」ととらえられている。対して、キープレフト理論はスイングを「吊り子運動」を考えている。この動きは寺の鐘を棒でつくイメージだ。振り子運動に比べリストコックやアームローテーションへの意識は不要で、動きがシンプル、再現性が高いスイングといえる。スイングに不安を持つアマチュアゴルファーにぜひすすめたい。本書では、キープレフト理論を写真を多用して徹底的にわかりやすく解説する。なお、この理論の考案者・和田泰朗プロは、会員数3万8000人の世界的ティーチングプロ団体WGTF(World Golf Teachers Federation)の一人で、会員の1%しかいない「マスター」の資格を取得。さらにこの理論が認められて 2019年、WGTFのティーチングプロ・トップ100に選ばれている。