日本人に最も適したグリップの正体
10本の指でグリップすることから『テンフィンガー・グリップ』と呼ばれる握り方があります。
具体的には、左手は通常どおり、親指の腹をクラブに添えてグリップします。その親指を右手で包み込むように握りますが、右手の小指は左手の人差し指に乗せたり、絡ませたりせず、グリップにあてがいます。この握り方は「右手に力が入るからよくない」と言う人もいますが、私は日本人にいちばん向いている握り方だと思っています。
そもそもオーバーラッピングやインターロッキングは、強烈に右手の力が強い海外のゴルファーが力を抑えるために編み出したグリップです。それらのグリップが、それほど力の強くない日本人に本当に合っているのでしょうか。グリップを極めるためにはこのような細部まで考えていく必要があります。
かつて私の生徒さんのなかに、オーバーラッピングもインターロッキングも合わない人がいました。このふたつの握り方では右手がうまく使えないので、私はテンフィンガーを試すことを提案しました。それまでのドライバーの飛距離は210ヤード程度でしたが、握り方を変えた途端、コンスタントに250ヤードを飛ばすようになりました。その後も改善策のひとつとして、しばしば取り入れて成功しています。
またテンフィンガーと酷似する『ベースボール・グリップ』という握り方もあります。左手の親指をグリップから外して握る方法で、まさに野球のバットを握る形と同じです。巷では、テンフィンガーとベースボールは同じものとされている場合もありますが、左手の親指を外すか外さないかはかなり大きな違いなので、私は区別するようにしています。
【書誌情報】
『動画解説版 グリップを直すだけでゴルフが変わるから「もう一度練習してみよう」と思える:動画でわかる、見つかる自分のベストグリップ!』
著者:松吉 信
ゴルフは自分の手でボールを打つのではなく、クラブで打つスポーツ。手は自分の身体とクラブをつなぐ唯一の部位だが、大半のアマチュアゴルファーはクラブや身体の動きに気を取られ、手元の感覚を軽視しがちだ。 そのことでミスショットが増え、スコアアップができないでいる。つまり、自分にとって正しいグリップで握っていないから思うようなショットが打てないのだ。 正しいグリップでなければ、身体のに歪みが出て余計な力が入り、スイングは崩れ飛距離も出ない。クラブの握り方が悪いままでは、いくらスイングを直そうとしてもゴルフの上達は無理ということだ。ということはグリップがよければゴルフがうまくいく、と言っても過言ではない。 この本は、ゴルファー自身にとって最適なクラブの握り方を見つけるための考えや方法を一冊にまとめたもの。その方法や身に付けるための練習ドリルを、QRコード付動画を中心にわかりやすく紹介する。
公開日:2021.05.21