クラブの構造が変わらない限り振り方は変わりません
クラブとは妙な道具です。同じ振る道具でもバットやラケットはすぐに振れてボールにも当たるのに、ゴルフクラブだとそうはいきません。
もちろんボールの接触面が狭いこともありますが、何年やっていてもビギナーのようなミスが出るのは、ゴルフならではだと思います。
原因として考えられるのはヘッドが重いことと、フェース面をスクエアにしたときに重心がシャフトの延長線上にないことでしょう。ヘッドが重いと扱いづらい。また、バットやラケットなら持った手の延長上で打てばいいのですが、ゴルフは曲がった先で打たなければならないのです。
でも、考えてみてください。400年もの歴史があるゴルフで使う道具には、1つたりとも退化しているものはありません。クラブもしかり。いまある形やバランスがいちばん狙ったところにボールを飛ばせる。それゆえ、長きにわたってあの姿を保っているのです。
ここれはグリップの構造にも垣間見えます。グリップエンド側が太くなっていますが、これはクラブが抜けないため。つまり、均一な太さだと抜けてしまうような使い方をすればいいことの表れです。
このように、ここ数百年クラブの基本構造は変わっていません。なのに、これまでいろいろなスイング理論が提唱されてきました。野球やテニスの世界でも道具の変遷はありましたが、ゴルフのように新打法なるものが出現したことはないでしょう。同じ構造の道具を振る以上、本質的な部分は変わらない。スイングも例外ではないのです。
【書誌情報】
『最強不変のスイング法則』
著者:森守洋
ミスの原因となる両手の動きと右腕、左腕の正しい動かし方を写真で解説します。さらに、そのステップアップとして手首と肩の振り子運動による、スイング解説も行ないます。「ダウンブロー打法」で注目を集める森プロによる、手の動きにフォーカスしたゴルフレッスン書は、アマチュアゴルファー必読の一冊です。
公開日:2020.09.07