「見えない力」をコントロールする
一般のゴルファーが「いざ打とう」とクラブを6時の位置に構えたときに、へらが倒れようとしていることや、ダウンスイングで先端であるクラブヘッドが、身体から遠ざかろうとしていることは予期できません。私はこれを「見えない力」と呼んでおり、ミスのほとんどはこれが原因で起こりますし「見えない力」が働いたときにクラブがプレーンの下(インサイド)に行ってしまう場合と、プレーンの上(アウトサイド)に行ってしまう場合に症状が分かれるだけのことです。結局、その「見えない力」を上手くコントロールできている人が、世に言う「上手い人」です。
へらが倒れないこと、そして遠心力によってクラブが、身体から離れるうねりを上手くコントロールしてボールを飛ばすエネルギーに変換できること、この2つがクリアできていればゴルフはかなり上手くいくはずです。
ここに上級者とそこに到達できない人たちとの大きな境界線があって、上手くいっている人と、上手くいってない人が、上手くコミュニケーションできないのはこの認識の差にあるのです。
上手くいってる人は「自然に」「上げて下せばいい」などと好き勝手なことを言いますが、そうではない人は、インパクトの前にクラブが意図しないところに持っていかれてしまっていますから、そこから真っ直ぐ遠くに飛ばすのは至難のワザとなります。
【書誌情報】
『一生ブレない身体のスイング』
著者:永井延宏
ゴルフのスイングはゴルフクラブと自分のバランスが大切。最新のクラブヘッドが大型化するにつれて、クラブに働く力と自分の力を均衡させることが重要になっている。この本では、最新のクラブを題材に、いまのクラブに合ったボールの打ち方を写真でわかりやすく解説。さらに、クラブに働く遠心力など、見えない力に負けない身体の効率的な使い方を練習ドリルとともに紹介。「入れ替え動作」という、身体の動かし方を写真でくわしく説明している。
公開日:2020.08.04