カロリーより気にするべきは糖質
内臓脂肪を効率よく落とすためには、糖質の摂取を控えめにすることが大切です。炭水化物とたんぱく質、脂質をバランスよくとるよう意識しましょう。
●血糖値を上げない食べ方がポイント
内臓脂肪をためない食事に大切なのは「糖質」だと紹介してきました。具体的には、油分が多くカロリー高めの食事は控えめにする必要はありません。一方で、ごはんやパンなどの糖質の高い食事はセーブする必要があります。なぜそれで脂肪がたまらなくなるかといえば、鍵は「インスリン」というホルモンにあります。
インスリンは血液中の糖の量(血糖値)を下げるために働くホルモンです。人が糖質の多い食べ物を口にすると、小腸でブドウ糖に分解・吸収され、血糖値が上がってすい臓からインスリンが分泌されます。大量に糖質を摂取すると、その分、急激に血糖値が上がり、インスリンも大量に分泌されることなります。大量に分泌されて余ったインスリンは、ブドウ糖を脂肪に変えて体に蓄えるよう働きます。
ブドウ糖は体のエネルギー源になりますが、運動不足などで体がエネルギーを必要としていないと、消費されないまま血液中に余ることに。このブドウ糖をインスリンがどんどん脂肪に変えて蓄積していくというわけです。ちなみに、下記のグラフのように、糖質をとると血糖値は急上昇します。一方、カロリーの高い肉料理を食べても、血糖値は変わらず横ばいのまま。つまりインスリンによる脂肪の蓄積を避けるためには、カロリーではなく糖質のとり過ぎに注意すべきなのです。
●カロリーではなく糖質が血糖値を上げる!
脂肪の合成を促すインスリンは糖質を摂取することで分泌されます。脂肪を減らすには、カロリーよりも糖質を控えるほうが効果的なのです。
糖質が肥満を引き起こすメカニズム
【1】糖質をとると血糖値が上がる
ごはんやパンなどに含まれる糖質を摂取すると、血糖値が上昇します。
【2】使い切れなかったインスリンが余る
血糖値を下げるために分泌されたインスリンが、血液中に余ります。
【3】余ったインスリンが脂肪をつくる
余ったインスリンは脂肪細胞に働きかけてブドウ糖を脂肪に合成します。
【出典】『ストレス0!で内臓脂肪が落ちる食べ方』
監修:栗原毅 日本文芸社刊
監修者プロフィール
1951年、新潟県生まれ。北里大学医学部卒業。前東京女子医科大学教授、前慶応義塾大学特任教授。現在は栗原クリニック東京・日本橋院長を務める。日本肝臓学会専門医。治療だけでなく予防にも力を入れている。血液サラサラの提唱者のひとり。『眠れなくなるほど面白い 図解 肝臓の話』(日本文芸社)をはじめ、著書・監修書多数。
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公開日:2022.04.18