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頭がいい人って、 どういう人をいうの?【脳の話】

Text:茂木健一郎

他人と心を通してうまくやっていく人

人間は、ほかの動物よりもさまざまに劣っているところがありながら、これだけの文明を発達させてきました。この事実を見ると、少しは「頭がいい」と思ってもいいかもしれません。

人間の「頭のよさ」はどんなことに由来するのでしょうか。現代の脳科学では、頭のよさ=他人とうまくやっていけること、だと考えています。

他人と心を通じ合わせ、協力して社会をつくりあげることが、人間の頭のよさの本質だということです。頭のよさというのは、社会性と深く関わっているのです。

他人の心を読み取る能力を専門用語で「心の理論」といいます。コンピュータはいくら計算が速くできても、心の理論をもちません。

他人の心を読み取り、初対面の人ともうまくコミュニケーションが取れる能力においては、人間はコンピュータよりもはるかに優れています。

また、サルなどの群れをつくる動物と比べても、人間の社会的知性が優れていることは疑う余地はありません。現在までの知見を総合すると、厳密な意味で他人の心を読み取ることができるのは、すべての動物のなかで人間だけだとされています。

相手の考えが容易に判断できない場合であっても、目には見えない相手の心を感じることができるのは人間だけです。「あうんの呼吸」といった言葉は、そんな微妙な人間同士の関係を言い表しているといっていいでしょう。

他者を受け入れ、共生していくことが「頭のよさ」につながっていきます。つまり、いっしょに仲良くいることで頭がよくなるということです。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』
著:茂木健一郎

シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「脳」について切りこんだした一冊。「なぜ、脳から意識が生まれるの?」「ひと目ぼれは、どうして起きる?」「頭がいいって、どういう人?」人の脳は不思議でいっぱい。身近な疑問でナゾを解明! いまだに解明されない現代科学最大の謎といわれる脳。脳を知ることは、自分自身を知ることです。テレビや雑誌など、さまざまなメディアで活躍する脳科学者の著者が、脳の働きや仕組みを最新のトピックスや知識を使い、図解を交えてわかりやすく解説します。脳力を最大限に発揮させる方法から、「ひらめき回路」の鍛え方、、AI時代の脳の活かし方、脳の機能まで、疑問形式で楽しく読める脳の話が満載。仕事や学習、恋愛、人付き合いなど日常の生活でも役に立つ、脳のエンターテインメント教養本です。脳は自分を映す鏡。人工知能時代に負けない、ヒトの脳の大きな可能性がわかります。

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