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脳を喜ばせる遊びとは、どんなもの?【脳の話】

Text:茂木健一郎

自分でルールを設計できる遊びをしよう!

子どもの遊びを例に考えてみましょう。子どもの脳の発達に、遊びがどう関わっているかのメカニズムがすべてわかっているわけではありませんが、いくつかいえることがあります。

いま、子どもの遊びというと真っ先にコンピュータゲームが思い浮かびます。しかし、この遊びでは、子どもたちは遊びの「生産者」になることはできません。本来、子どもというのは、紙と鉛筆といったごく簡単な道具さえあれば、無限といってよいほどの遊びを工夫することができるはずです。

遊びで肝心なことは、結果がある程度は予想できるが、ランダムの要素も入る豊かな「偶有性」が含まれていることです。

このような、偶有性に満ちた遊びは、もっとも高度な脳の働かせかたを促すことになり、教育上の効果は計り知れません。

遊びを工夫するということは、偶有性を設計するということでもあります。そして、昔の子どもたちが楽しんでいたメンコやおはじきでは、ルールを自分たちで決めるということ自体が、遊ぶという行為の大切な一部でした。

コンピュータゲームには、「偶有性を設計する」という要素が明らかに欠けています。私は、昔の子どもたちがやっていたような、ごくわずかな道具からさまざまな遊びを工夫する、あの時間をいまの子どもたちにもたせたいものだと思います。

これは大人も同様で、ルールを押しつけられてばかりで、自分たちの創意工夫が生かせないのでは、人間的な成長もあまりできないのではないでしょうか。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』
著:茂木健一郎

シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「脳」について切りこんだした一冊。「なぜ、脳から意識が生まれるの?」「ひと目ぼれは、どうして起きる?」「頭がいいって、どういう人?」人の脳は不思議でいっぱい。身近な疑問でナゾを解明! いまだに解明されない現代科学最大の謎といわれる脳。脳を知ることは、自分自身を知ることです。テレビや雑誌など、さまざまなメディアで活躍する脳科学者の著者が、脳の働きや仕組みを最新のトピックスや知識を使い、図解を交えてわかりやすく解説します。脳力を最大限に発揮させる方法から、「ひらめき回路」の鍛え方、、AI時代の脳の活かし方、脳の機能まで、疑問形式で楽しく読める脳の話が満載。仕事や学習、恋愛、人付き合いなど日常の生活でも役に立つ、脳のエンターテインメント教養本です。脳は自分を映す鏡。人工知能時代に負けない、ヒトの脳の大きな可能性がわかります。