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退屈な生活をすると、脳の働きは悪くなる?【脳の話】

Text:茂木健一郎

脳は自ら刺激になることを生みだす

私事で恐縮ですが、学会などで人の話を聞いたりしているとき、ついつい退屈して、手元で何かをはじめてしまうクセがあります。

もちろん、実際に話がつまらないこともありますが、よほど面白い話でないと、脳は退屈してしまうのです。

猛烈に興味を惹かれる刺激が入ってくるか、あるいは作業をしていて手元が忙しいというような状況でもなければ、自分の脳を満足させることができないようです。

こんな私ですが、私の脳が特に変わっているとは思っていません。もともと人間の脳は退屈しやすいものだからです。自分はそんなことはないといわれるかもしれませんが、たいていの場合は、脳が無意識のうちに処理してしまっているので、自分では気づかないだけのことです。

退屈というのは、脳のなかに空白ができてしまって、それを何かで埋めたいという強い欲求が生じることです。

その結果、自分でも思いもよらないことを感じたり、考えたりします。それがひらめきとなって、歴史に残るような発明・発見につながることもあります。退屈という、一見否定的な状態にも効用があるということです。

また、不安といったマイナスの感情も、それが脳のバランスを崩すものでなければ、きっと何かの役割を果たしているはずです。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』
著:茂木健一郎

シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「脳」について切りこんだした一冊。「なぜ、脳から意識が生まれるの?」「ひと目ぼれは、どうして起きる?」「頭がいいって、どういう人?」人の脳は不思議でいっぱい。身近な疑問でナゾを解明! いまだに解明されない現代科学最大の謎といわれる脳。脳を知ることは、自分自身を知ることです。テレビや雑誌など、さまざまなメディアで活躍する脳科学者の著者が、脳の働きや仕組みを最新のトピックスや知識を使い、図解を交えてわかりやすく解説します。脳力を最大限に発揮させる方法から、「ひらめき回路」の鍛え方、、AI時代の脳の活かし方、脳の機能まで、疑問形式で楽しく読める脳の話が満載。仕事や学習、恋愛、人付き合いなど日常の生活でも役に立つ、脳のエンターテインメント教養本です。脳は自分を映す鏡。人工知能時代に負けない、ヒトの脳の大きな可能性がわかります。