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ひらめきを邪魔するものって、何?【脳の話】

Text:茂木健一郎

「頭がよくない」という思い込み

「私は頭が悪いし、ひらめきなんて無理」と思い込んでしまうのには、いくつか理由があります。

理由の1つが、学校教育の影響です。テストの成績で能力を評価するシステムでは、ひらめきなどは評価されないからです。学校の勉強ができる子どもと、ひらめきを生む力に長けている子どもは必ずしも一致しないのに。

テストの点数や偏差値だけで「私は人より頭がよくない」と思い込んでいては、ひらめきも生まれてきません。脳というのは、抑圧してしまうと、潜在的な能力を発揮できない器官なのです。

「私は人より頭がよくない」という思い込みは、ひらめきにとって邪魔なものです。こうした思い込みから自分を解放することが脳にとって重要で、ひらめきへの第1歩となります。

また、ひらめきを生むためには苦しく、大変な努力がいるのではないかと考えてしまうことも、邪魔になります。たしかに、あることを考え続けるプロセスは苦しいかもしれません。でも、何かを思いついたときほど脳が喜ぶことはないのです。

人間が快楽を感じるとき、脳のなかでは、大脳辺縁系にある感情のシステムが活性化し、報酬系の神経伝達物質であるドーパミンが分泌されます。

最近の研究では、ひらめきの瞬間、この報酬系が活性化することが証明されています。

ひらめくということは、脳内の「快楽の泉」を刺激することです。

ですから、「ひらめきなんて自分に関係ない」などといっていると、せっかく自分の脳のなかにある「快楽の泉」を閉ざしていることになります。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話』
著:茂木健一郎

シリーズ累計発行部数150万部突破の人気シリーズより、「脳」について切りこんだした一冊。「なぜ、脳から意識が生まれるの?」「ひと目ぼれは、どうして起きる?」「頭がいいって、どういう人?」人の脳は不思議でいっぱい。身近な疑問でナゾを解明! いまだに解明されない現代科学最大の謎といわれる脳。脳を知ることは、自分自身を知ることです。テレビや雑誌など、さまざまなメディアで活躍する脳科学者の著者が、脳の働きや仕組みを最新のトピックスや知識を使い、図解を交えてわかりやすく解説します。脳力を最大限に発揮させる方法から、「ひらめき回路」の鍛え方、、AI時代の脳の活かし方、脳の機能まで、疑問形式で楽しく読める脳の話が満載。仕事や学習、恋愛、人付き合いなど日常の生活でも役に立つ、脳のエンターテインメント教養本です。脳は自分を映す鏡。人工知能時代に負けない、ヒトの脳の大きな可能性がわかります。

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